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生きる世界と冒険譚  作者: 山田浩輔
リライプル編
17/78

人の見えぬ村

[火薬]

ファラル以外にはまだ広まっていないファラルの錬金術の産物、黒色火薬であり、ファラル以外ではかなり希少であり、そもそも売ることができないため、広まらない。

 クルード国を出てすぐ、二つの馬車には沢山の食料や武器などが揃い、今までと違い長旅になるため寝袋や娯楽物なども詰め込まれたため、いつもより少し音がうるさい、片方の馬車はヒューズ、そしてもう片方はウィリアムが馬を操縦していた。

 

 「.....それでいいのかしら....?」

 フェイルはいつもより鋭い目つきでフォルトを睨み付ける、結衣は少し緊張し汗をかく、フォルトは余裕そうにニヤリと笑う。

 「ええ、構いません、早く始めましょうよ」

 「うう....とりあえずだしましょう.....」

 「「「オープン」」」

 三人はポーカーをしており、一斉にカードを展開する。

 フェイルはフラッシュ、結衣はワンペア、そしてフォルトはフルハウスを出していた。

 「また負けたあああ!!」

 フェイルはトランプを上に投げてジタバタする、これで15連敗である、もちろん結衣も同じく15連敗、しかしフォルトは圧勝が続きまるで勝てない。

 「必要なのは確率と記憶力、運だけじゃ勝てないんですよ?」

 いつもは見せないドヤ顔をしつつ高笑いをする、ウィリアムは自分も参加したいとばかりに横見でチラチラと見るが三人は全く気づかない、ウィリアムはため息をつきながら地図を開く。

 「あともう少しで着くか....村に入ったら一回休憩とるか〜あと十何分まで我慢我慢....」

 ウィリアムは自分を言い聞かせてはいるが早く遊びたいという気持ちでいっぱいになっていた。

 「ヒューズ〜、次の村にはどれくらい滞在するんだ〜?」

 「大体5日くらいだな、食料はまだあるが何があるか分からんし、馬車だけじゃ休憩も少ないしな」

 後ろからの楽しそうな声が耳に入りとにかくきつい、自分も楽しみたいととにかく誘惑してくる、手綱を強く握りしめ、欲望を押し殺した。

 「なあ、ミメーシス、なんか話をしてくれ〜」

 ウィリアムがミメーシスに話を振るとミメーシスが話す。

 (それでは我の仲間、他の精霊について話そう)

 ウィリアムは神妙な面持ちになり話に集中することとした。

 (我の仲間は4柱、星の精霊アステール、太陽の精霊ヘーリオス、夢の精霊オニロ、空間の精霊プセマだ)

 

 「ウィリアム! それをフォルトに!」

 ミメーシスの話を聞いているとヒューズがウィリアムに矢文を飛ばす。

 ウィリアムはフォルトを呼ぶと紙を渡す。

 「えっと....右に四、左に五、敵がいるから馬車の速度を上げてくれ、だそうです」

 ウィリアムは鞭を取り出し馬を叩く、速度が上がると馬車が揺れ、トランプが散る。

 「あ! 勝てると思ったのに!」

 フェイルはウィリアムの頭を掴むとぶんぶんと横に振る。

 「あ...結衣は今のうちに銃の準備しといて」

 「はい、わかりました!」

 結衣は銃の準備をする、しかし特に問題は起きずにそのまま村へとたどり着いた。



〜リフェルテッド村〜

 「結局問題はなかったなぁ」

 「まあ、戦闘を避けるのが目的ですしね」

 あっさりと村にたどり着いたこともあり、ウィリアムは緊張が抜けて横になる。

 「寝ないでくださいよ!」

 結衣はウィリアムの手を引っ張り無理やり起こすと村の中に入る。

 畑が多く、高低差のある村は魔物の対策に適しているようで、投石機などもいくつかあり、なかなか見応えがある、少しおかしな空気で、人の気配がない、人がいる形跡はあるにはあるのだが音がせずどうにも不気味である、ウィリアムは民家の扉に立つと、深呼吸を挟んでからノックをする。

 「すみません、旅のものですが、どなたかいらっしゃいませんか?」

 返事はない、それならと村で一番大きい屋敷の扉を叩く、相変わらず返事はない、何かがおかしい、そう思い村を散策しようと屋敷を背にした次の瞬間に扉が開く。

 「あ....いらっしゃいま——」

 振り向くとそこには大斧を持った青髪の巨体の男がいた。

 斧の振り下げをウィリアムはナイフを斜めに切り上げて斧の軌道をずらそうとする。

 「うお......重い....!!」

 あまりの重さに無理だと判断してナイフを捨てて男の後ろを取ろうと前屈みに飛び、背中をとる、2本目のナイフを取り出し男の首元を狙うが男の蹴りが腹に当たり、ウィリアムは屋敷の中に飛び壁に背中を打ち付ける。

 ウィリアムは嘔吐する、しかしすぐにナイフを拾い、左手で嘔吐物を掴むと男の顔に投げつける、嘔吐物塗れの手袋を外すと背中に背負う盾を取り出す。

 突然の戦闘に、ウィリアムは登録証に触れ、危険信号である赤の光を発信する。

[時代]

精霊信仰の滅びは第零期、期前は精霊の時代であり今は神の時代というのが正しい、しかしそのことを殆どの者は知らない

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