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擬似転生 〜今日から君も〜  作者: 菅原大介
1/1

山田太郎

初めて書いたのでクオリティや誤字脱字、改善点などがあればどんどんお願いします。


ちょっとも見てなかったら続けません。

山田太郎


テストの模範解答など記入例で使われがちなこの名前

まさにキラキラネームの対局ともとれるんじゃないかと思う。


けれども、現代の日本でこの名前を見つけるのは逆に難しく数十年後にはキラキラネームになってるのかもしれない。


かくいう俺の名前は『 山田太郎 』

名は体を表すと言うがまさにそれを体現したかのような生活 学生生活を送っている。


本やアニメ、つまり物語などでは例えば突拍子もないことが当然起こり、それにより平凡な人生はいっぺんすることだろう。


だけど現実はそんなに甘くない。


物語のような人生を送っている人は、きっと彼ら自身が勇気や努力により大なり小なりのきっかけを自分で起こしたことだろう。


だからこそ思う。難しいことかもしれないけど一歩踏み出す勇気と努力さえあれば物語のような人生を送れることを…。


何故こんなことを説いているのかというと

俺は今日まさに高校生になったところだ。


この高校時代というおそらくかげがえのない時になるであろう瞬間そして人生の分岐点とも言えるこの瞬間に自分を、そして偏差値50の人生を変えようと思う。


そのために親に無理を言って、中学の友達、同級生が誰もいない高校を選び、一人暮らしをするとこになった。


1度人生をリセットするために…。



今日から俺は生まれ変わる。言ってみれば



《山田太郎の擬似転生》だ!




と、言ってみたもの

既に入学式は終わり、各々のクラスに行き、先生の話を聞いて、生徒一人一人の自己紹介となった。


まさに入学式あるあるだ。これはよくない。


この学校はスポーツが盛んで自己紹介に、自分の過去の優れた成績を言う者も多い。


そういう奴に限って話も面白いしジョークをまじえながら場の雰囲気を掴んでいる。


幸いなことに、俺は『や』行であるからだいぶ時間があった。何を言おうか、自分も部活のことを言おうか迷っていた。


俺も中学の頃は相当熱心にテニス部をやっていたつもりだが、才能がないのか周りがうまいのか、レギュラーの枠を勝ち取ることが出来ず、メンバー決めの夜はひっそり枕を濡らすだけだった。


当時の事を思って、ボーっとしていると、先生が俺の名前を呼んでいる。俺の番がもう来たようだ。


ハッとして周りを見たらなんとも言えない空気になっていた。


心臓の鼓動が聞こえる…。


幼稚園から中学生まで、ほとんど顔見知りしかおらず

今まで自分がここまで人見知りだとは知る由もなかった。


ジョークを言おう! 咄嗟にそう思った。


「えー、他県の中学校から来ました。ジョン・スミスです。」


しーん…


なんとなく中学の合唱コンクールの演奏が終えた時の指揮者がとるポーズを思い出した。


滑ったのだ。


ただただわかりずらいこのジョーク。


ジョン・スミスとは簡単に言えば英語圏の山田太郎であった。


わかりずらい上に、さっき先生が俺の名前「山田太郎くん」と呼んだことにより威力が下がったのだろうか


知り合いが誰一人といないこの空間で誰一人笑わないこの状況( 正確に言えば前の席の女子は何か反応を見せた気がしたが ) 周りの視線が痛かった。


言ってみればヤバいやつ認定されたのだった。



学校での出来事を振り返りながら誰も待っていない自宅への帰宅途中ふと思った。


人と交友関係を築く上で第一印象はプラスかマイナスどちらが悪いか


答えはどちらも悪くない。1番最悪なことは無関心だ。


実際にこれはそうかもしれない。


けれどもこの場合、ただの適応機制の1つの《逃避》

にすぎなかった。


俺はこの日の夜、今日の事を悔やみ、そしてこれからの高校生活に不安を抱きながら一人枕を濡らした事は誰も知らない。




それから1週間、学校が本格的に始まっているものの未だ誰とも会話することが出来ずにいた。


中学から同じの友達を持っている人ほどクラスに適応し、馴染んでいた。


誰とも話せない居場所のない俺にとっては嫌な所だ。


そんな俺の気分を唯一吹き飛ばしてくれるのは、図書室に行った時だった。


この学校を選んだ理由の一つとして図書室が充実していることもあった。


小さい頃から本を読み漁ってた俺としてはなんとも心地のいい空間であった。


最近の高校生でここまで本を読んでいるのは珍しいので案の定クラスでコソコソ言われるハメとなった。


本を読む人を暗い人と決めつける人もいるのだ。


この状況に身を置いて分かったのだが俺は自分の世界に入ると周りの雑音が聞こえなくなるらしい。


だんだんこの嫌な所も苦に感じなくなってきた。



そして放課後、いつもと同じように図書室に行った。


図書室の上の階に自習室があり部活のある平日では

あまり本を読むために利用している人がいなかった。


今日は特に顕著で、入ると下の階には俺を含めて二人しかいなかった。


その1人は同じクラスメイトで前の席の女子だ。物静かだけどよく周りから喋りかけられており、聞き上手だった。世渡りがうまそうなひとだ。


前の日もその前の日も彼女はいた。本が好きなんだろう。


彼女も本を読んでいるのにこの差はなんだ!


と少しイライラしたのでいそいで本を取りに行こうとした時、彼女が本に手をあて、本の中から何かを手で吸っている所を目撃してしまった。


一体今のは…?唖然としていると、なんとなく見てはならない物を見た気がしたので目をそらそうとした瞬間、


「見たな?」


目が合ってしまった。


周りの空間が俺と彼女以外止まったかのように錯覚した。


いや、錯覚ではなかった。実際に止まっていた。


声が出ない。別に出せないわけじゃないけど震えて出ないのだ。腰も抜けてしまった。動けない。


ゆっくり彼女は近づいてきた。


「余計な力を使っちゃったじゃない」


なんのことかさっぱりわからないが逆鱗に触れたらしい。聞き上手な彼女の姿の面影はない。よくみたらいつもしている眼鏡もしていない。それが原因かな?


など、案外危機的状況に陥った時、くだらないことが脳裏によぎるものだ。


俺の顔に彼女の顔がせまる。眼鏡をしていないせいか俺の顔をまじかで覗いてきた。


そしてやっと俺が誰だかわかったようで


「アンタ、クラスの後ろの席のやつじゃない」


ひょっとして俺助かるのか…?安心はつかの間。


「見られたからにはタダでかえす訳にはいかないわ」


そういうと俺の額に手をやり、何かをしようとしたがどういう訳かその手を止めた。


「この状況で笑えるなんて」


「やっぱアンタは有望株ね」


どうやら俺はその時笑っていたようだ。こんな物語のようなことが起きるなんて、恐怖とは反対に何故か期待もあった。


そしてさらに彼女はこう続けた。


「異世界へ転生してみる気は無い?」





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