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土+水=生命

なんていうか、「賢者とファミリア」書いてたら「神の財産とファミリア」書きたくなるし、「神の財産とファミリア」書いてたら「賢者とファミリア」書きたくなる。

翌日、コウとマホは屋敷の外へと散歩していた。

屋敷の外には広大な森が広がっており、一体どこまで続くのかわからない。


マホは薄い生地でできたワイン色のパーカーを羽織っており、フードを深く被っていた。

「今日は天気がいいわね。良すぎて少し陽射しが強いけど」


コウはマホの家に来る前に着ていたようなボロではなく、真新しいシャツやズボンを身に纏っている。


元々マホの家にあった訳でも、新しく買った訳ではない。

マホが錬金術で作ったのだ。


「コウ、私から離れてはダメよ? 」


コウはマホの横へぴったりと付いて歩いた。


今回、森を探索する理由。それは魔術の素材を集める事と、コウに魔術を教えるためだ。


魔術を教えるのにも、室内では出来ることが限られる。

そのため森へ出て自由気ままに魔術を教え、あわよくば魔術に使えそうな素材を集めようという計画だ。


しばらく歩いた後、少し開けた場所に出た。


「さて、ここならいいかしら…………コウ、君にはこれをあげる」

そう言ってマホはポーチから、持ち手のない虫眼鏡のような物を取り出した。


ところどころに金色の装飾が施されていて綺麗である。


「これは魔素分析鏡マナレンズ。これで見た物体に含まれている魔素がわかる」


魔素というのは、あらゆる物体や存在を構成している存在である。

その物体がどのような魔素で構成されているのかを理解する事により、その物体を錬成したり、錬成の素材として利用できる。


基本は火、水、地、空気、調和、無調和の6つの魔素で構成されている。

さらにこの6つが組み合わさった魔素が無数に存在する。


「例えばここにある石」


マホは足元に落ちていた石を指差す。


「この石を魔素分析鏡マナレンズで分析すると地の魔素が含まれていることがわかる」


コウは魔素分析鏡マナレンズを覗き込んだ。

すると、魔素分析鏡マナレンズには絵文字のようなもので物体にどのような魔素が含まれているのか感覚的にわかるようになっていた。


石を見ると地を指すのであろう絵文字が映し出される。


「次にこの土を見てみて? まぁ、当然だけど地の層が含まれてるわ 」


マホの言う通り、土には地の魔素が含まれていた。


「つまり、この二つは等価交換が可能というわけ。まぁ、君には言うよりも実際にやってみた方がわかりやすいかしら」


マホはさらにポーチから土器のような物を取り出した。大きさは湯飲み程度で、短い4脚が付いている。


その土器を地面に置くと、4脚の間に小枝を敷き詰める。


さらに小瓶を取り出した。

瓶の中には無色の液体が入っており、マホはその液体を土器の中に注いだ。


そして、指をパチンと鳴らすと4脚の間に敷き詰めた小枝に火が点いた。


「この土器の中の液体は物体を魔素に分解する事ができる。さらに加熱する事で合成された魔素を6第魔素に分解できる。ひとまずこの中に土を入れてみましょう」


マホは土を取り、土器の中に入れる。すると瞬時に土は溶けてなくなってしまった。


5歳にして物体が溶解する様子など見た事のないコウは驚きの表情が現れていた。


「さっきの土はなくなったわけじゃないのよ? 魔素分析鏡マナレンズで見てみて? 」


コウは魔素分析鏡マナレンズで土器の中を見てみる。すると確かに地の魔素が表示されていた。


「ここに手をかざしてみて? 」


マホは土器の上に手をかざした。

コウもそれを真似て手をかざす。


「感じる? これが地の魔素よ」


コウは手をかざした時に、なんとなく地をイメージできるようなものを感じた。

地の匂いがしたとも、音がしたとも形容できるような、どちらでもないようなボンヤリとしたイメージである。


「この魔素で石を形作るの…………〈錬成ライズ〉」


煮沸された土器の中の液体から登る湯気がマホの手の中で石の姿を取った。


「これが錬金術の基礎となる等価交換よ」


マホは顎を少し前に出し、両の口角を上げていた。


コウはというとすでに土を土器の中に入れ始め、マホの真似をしていた。


(さてと、この子ならきっと1発で成功させるでしょう。なにせ、これは基本の錬金術。昨日彼がやって見せたのは中級。中級錬金術を初見で真似したコウならきっと…………)


「〈錬成ライズ〉」


コウの手には一つの小さな石が握られていた。


(やっぱりね…………だけど)


「コウ、よくやったわ。でも土器の中を見て? 」


コウは魔素分析鏡マナレンズで土器の中を覗く。

するとまだ地の魔素が残っていたのだ。


「魔素が余っているでしょ? これも錬金に使ってしまうのが1番だけど、不要となってしまった時、これをこのまま放置してしまうと汚染物質レストになってしまう。汚染物質レストを処分する方法はこう」


マホは土器に再び手をかざす。

そして


中和チャネル


突如、土器から紫色の気体がムワッと飛び出し、その気体は空中で透明になり霧散した。


(今のも見ただけで覚えたでしょう。だけど、覚えるのは早くてもまだ無駄が多い。錬金術の際にも汚染物質レストが発生してしまっている。そこはもう少し練習が必要か…………)


「コウ、このあたりで好きなように錬金術の練習をしていいわ。いろいろなものをそのレンズで見て、作ってみなさい」


コウはこくりとうなずき、レンズを手に探索を始めた。


「あまり遠くに行かないように」


聞こえたであろうが、返事は返ってこなかった。


(もの覚えは良いみたいだけど、言語発達に遅れがあるみたい。今度読み書きも教えないと)


マホはその場で伸びをする。


「さてと、素材集め素材集め♪」


マホはコウがあまり離れすぎないように魔力でコウの位置を常に感知しながら素材集めに取り掛かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



コウは魔素分析鏡マナレンズで草や木を分析していた。

草や木には植物の魔素が含まれている。


だが、植物の魔素がどんなものなのかコウは知らない。

そのため、一度近くにある雑草を引き抜き、元の場所へと戻って土器に入れてみた。


そして魔素分析鏡マナレンズで土器の中を分析する。

すると植物の魔素が消えて、地の魔素が現れ、さらに生命の魔素というものが現れた。

どうやら、植物の魔素は地の魔素と生命の魔素が合わさってできたものらしい。


さらに数秒後、生命の魔素は地の魔素と水の魔素にわかれた。


しかし土器の中に入れたは良いものの、何かを作ろうとしたわけではない。

このまま放置していては魔素は汚染物質レストになってしまう。


そこでコウは先ほどマホに教わった魔術を試してみる事にした。


「〈中和チャネル〉」


土器から紫色の気体が飛び出し、その後透明になり霧散した。

どうやらうまくいったようだ。


(つぎはどうしようかな…………)


コウは魔術を覚えるのが楽しくて仕方がなかった。


そして思いついたのが、実際に草を錬成してみようということだ。

草に含まれていた魔素は植物。


植物の魔素は生命の魔素と地の魔素でできている。

生命の魔素は地の魔素と水の魔素。


つまり、必要なのは土と水。

土はどこにでもあるが、水はどうするか迷った。

近くに川でもあれば良いのだが、見たところ川は見当たらない。


もう少し遠くまで探しに行けばあるかもしれないが、マホからあまり遠くに行かないよう言われたためそれも叶わない。


そこである事を思い出す。

自分は水を錬成する事ができるという事を。


コウは土器の上に手を出し

「〈錬成ライズ〉」


コウの手から水が溢れ出て土器に注がれた。


そして土を土器の中に入れる。


だがコウはそこで魔素を合成する方法を教えてもらっていないことを思い出す。

ひとまず錬成と同じようにやってみる事にした。


「〈錬成れんせい〉」


土器の中を魔素分析鏡マナレンズで覗くと生命の魔素ができていた。

どうやら、魔素を合成する方法は錬成と同じようだ。

しかし、すぐに土の魔素と水の魔素に分かれてしまう。


これでは続けて合成することができない。


そこで、コウはマホが言っていた事を思い出す。

この土器に入っている液体は加熱すると合成された魔素を6第魔素に分解すると。


そこでコウは再び水を錬成し、その水で火を消した。


そしてもう一度詠唱。


「〈錬成ライズ〉」


土器の中に生命の魔素が生成される。

そして今度は分解されなかった。


さらにコウは土を土器に入れ、錬成。


地の魔素と生命の魔素が合わさり植物の魔素が生成される。


そしてコウは先ほどの草を頭に浮かべながら土器の上に手をかざす。

「〈錬成ライズ〉」


手をの中には草が握られていた。

草を錬成する事に成功したのだ。


コウは歓喜した。

魔術を覚え始めて1日。

コウは既に魔術の虜となってしまっていた。


コウが喜びに浸っていると、背後の茂みががさりと揺れた。

マホが戻ってきたのかと思い、コウは振り返るがそこにマホはいなかった。


茂みからは赤い2つの目がギラリと光る。

そしてその目の主が茂みから飛び出した時、その全貌が明らかになった。


「ウギャギャギャギャアアァァァアアア‼︎ 」


それは犬と人間が合わさったような醜悪な姿をしており、巨大な鋭い背骨が背鰭のように体外に飛び出している。


4足歩行だが、もし2足で立ったなら2メートルを裕に超えるだろう。


いくつもの獲物を仕留めたであろう鋭い鉤爪。

こちらを食いちぎろうという思惑を光らせる牙。


巨大な体躯に醜い容姿。


地球上のどの生き物にも似つかないその姿はコウを恐怖に陥らせ、嫌悪感を抱かせた。


そしてその化け物は明らかにコウに対して敵意を持っているのが見て取れる。


予想通り化け物はコウに対して攻撃を仕掛けようと突進をしてくる。

化け物の持つ鋭い鉤爪でその身を抉られようものなら、たちまちコウの身体は死へと向かうだろう。


かといって、コウは化け物に立ち向かう術を持っていない。


もうダメかと思われたその時、コウの身体は浮遊感を覚えた。

突如として現れたマホはコウの身体を抱え、そのまま化け物の攻撃を回避する。


化け物は獲物を奪われたと思い、マホに対して怒りを示しているようだ。


だが、化け物の事などおかまいなしにマホはコウを見るや

「大丈夫? 怪我はしていない? 」


コウは少し涙目になりつつこくりと頷いた。


マホはコウを下ろし、化け物と対峙する。


「ガミラか…………夜行性の神話生物スペリアルクリーチャーがまさか昼に出てくるなんてね」


ガミラはマホを見て「ガルルルルゥ」と威嚇している。


「ちょっと獰猛だけど、肉は歯応えがあって美味しいのよねー。魔力いっぱい含んでるし」


ガミラがマホに向けて突進。

しかし行く手を阻むように石壁が現れた。


「〈練成ライズ〉」


マホが土から石を練成し、壁を作ったのだ。


壁に阻まれてガミラの姿は見えないがズシンという衝突音と、ミシっと壁が揺れた事からガミラが止まり切れずに壁に激突した事は安易に想像できた。


壁はかなり広範囲に生成されており、回りこむには時間がかかりそうだ。

よってガミラはもう一度壁に突進。


壁を破壊して突破する方法をガミラは選んだ。


やはり石の壁では脆いようで、ズシン、ズシン。と数回衝突した後、壁は破られる。


そうしてもう一度マホに突進しようとしたガミラだったが、突如として動きを止めた。


マホの周囲に大量の文字が浮かんでおり、その文字が魔法陣の形に並んでいるのだ。


その魔法陣がいくつもマホの周りに滞空しており、眩いほどの光を放っていた。


ガミラは直感する。こんな強力な魔術を受けたら間違いなく死ぬ。


マホほどの魔術師となると土から鉄や鋼を練成することも容易にできる。

なのになぜあえて壊れやすい石の壁を選んだのか。


それは壊させるためである。


壊すためにはその場で一度停止しなければならず、壊し終えた時には隙だらけ。それだけでなく壁に阻まれてこちらが何をしようとしているのか直前まで相手は見る事ができない。


待ち伏せにここまで向いた戦法は他にないだろう。


マホは石の壁で陽動を起こし、壁を突破した先に罠を設けたのだ。


「今日の夕食はバーベキューね」


マホの周囲に並ぶ魔法陣が一斉に極太のレーザーを放つ。


「グギャアアァァァアアア‼︎ 」


ガミラは断末魔をあげ、ぐらりとその場に倒れた。


マホはコウの方へ振り返り、まるでハミングでもするかのように「ふふっ」と笑うと

「さて、帰りましょうか」


コウが次々と魔術を覚えるのを書いてたら楽しい

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