復讐の末
ドーモ ミナ=サン
久しぶりの有楽です
今日から9月まで毎日投稿したいマン(するかどうかは不明)
「はぁ…はぁ……ハハッ。」
ゴロンズ・ジェイルソンは霞んで行く景色の中で一人。
笑っていた。
片手に生首を掴みながら。
「こいつ完全に過信してやがったな…それに確認する限りでは幹部の中でも一番強いらしい……最高の展開だ」
囚われた悪の監獄。
それは自分が『煙』として消費した自分の『寿命』と同じ寿命を煙に触れた相手から奪う捨て身の能力であった。
つまりジェイルソンに待っている物は人類の到達点。
死
「あの馬鹿野郎でも怒りに行くか……」
ジェイルソンは力なく地に倒れる。
だがしかし、彼の心の中は満足感に満ちていた。
復讐を終えた時の清らかな気持ちに満ち。
ジェイルソンは納得した。
(こりゃ…悪無くならねーわ……)
己の無力さを身を以て知ったジェイルソンは自嘲気味に笑いながら その命を散らした。
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一度『彼女』を殺したと言われる『アイザック』
アイザック・トリガーは防戦一方だった。
正確には攻撃を仕掛けることは少なくないのだが、その全てを攻撃として返され、トリガーは為す術がない。
「お前のこと、侮ってたわ。 やっぱエデンの園の住人って言われるだけあるわー」
「あら、そんな中途半端な煽りを入れられて……私は一体何回貴方を殺せばいいのかしら……?」
「とでも言うと思ってたのか?」
「…!」
明らかにそう見えていた。が
トリガーはニヤリと口の端を上げていた。
そして
「__」
その声にならない啼声にも似た言葉を聞くとほぼ同時。
彼の指先には眩いほどの光の弾が。
「お前に迂闊に秘技を使うことは出来ないからな…まぁこれで死んどいてくれ」
その一撃は女を屠り。
トリガーは退屈そうにその場を去る。
その筈だった。
「私がエデンの園の住人って言われる理由はなんだったかしら? ねぇそこの…誰でしたっけ」
「……そこまでかよ」
「生命の樹の実の所有者ってのはよォ……」
トリガーは、驚きはしなかった。
そこにあるのはただの
純粋な強者との邂逅による喜び。
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「始まってしまったか…」
ゼロはただその事実だけを。
他の誰よりも深く噛み締める。
その後悔と
無力感を。
「ゼロ様…大丈夫ですか?」
「あぁ…エミはただ待っていれば良い。必ず私がなんとかしてみせる」
その少女の為だけに果たすと決めた使命
彼の生はただ彼女の生のためだけに仕えると
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「フフフ……全部想定通りに進んでいるネ♪」
「それわざわざ俺に言う必要があるか? 俺はもう二度とお前の騒動に巻き込まれる気は無い。 『黙示録』の時だって勝手に俺を作戦に組み込みやがってよ…俺は裏方専門だって何度も言ってる筈だろうが」
「今回ももう組み込んであるんだケド?」
「は?」
「行くヨー♪ 『彼』だってちゃんと任務遂行してんだしサ?」
彼等は。
「今回が本当に最後だぞ? 次は例え計画の中に俺が入ってたとしても無視する」
「しょうがないナァ……」
この世界を構築した存在。
そのものである。
「でも…君も知ってるデショ? ボクの計画の最終目標」
「あれは別だ。 流石に自分が蒔いた種くらいは自分で回収する」
「忘れたらダメだからネ……♪」
そして彼等もまた。
「人類の殲滅……♪」
復讐の末にこの境地に達した者であった。
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