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始めよう、焦らずに

お待たせしました

初っ端から再掲前とはほとんど変わっていますが、主軸はかわらず魔王討伐です

第1話タイトルは今まで焦り気味に投稿を続け、最終的に煮詰まってしまった自分へのエールでもあり、勿論勇者たちへのエールでもあります。

ですが一番は某アーティストの歌詞を使ってみたかっただけです()

『ダウンロード中 48%…』


それは全て一人の希望の為にのみ仕組まれた我儘(エゴ)

誰もが望まないであろう最悪の終焉(エンド)


『ダウンロード中 49%…』


だが誰もが考える必然の事態(エマージェンシー)

何度も語られてきた最大の絵空事(アポカリプス)

最古に設置された人類史上最大の罠が


『ダウンロード中 50%…』


起動する


_________________________________________


気付けば僕は深い眠りについていた。

なんでそんなことになっていたかは全く覚えていない。

だが事実として僕は眠っていたのだからそういうことだろう。


「ここ…は……?」

「…覚えてないのか……?」


思惟の隙間も存在しない真空。

目の前には猫の耳のようなものを付けた女性が座っていた。

勿論。と言って良いのかは分からないが、魔王領から遠く離れた村に住んでいる僕はその女性どころかそもそもそんな耳を付けた人間と面識はない。

これってつまり……


「な、何が目的ですか…?」


自身を気絶させての誘拐、身代金目当ての犯行の可能性が高い…?


「おいおい待てって! 本当に覚えてないのか?」

「覚えてないから言ってるんですよ! 悪いけどこっちが払う金はありませんよ!」


女性はその耳をピンと立てて抗議する。

ぴょこぴょこ跳ねるそれは実際怒りを表すにはあまりに庇護欲をかきたてる物だったが、それは言わない事にした。


「お前が道端でぶっ倒れてたからわざわざ此処まで連れてきてやったんだろうが」

「此処って…」

「おぉ、意識が戻ったか」


奥から誰かが近寄ってくる。

グループでの犯行…と思い掛けたが、そこに現れたのは真っ黒な服装をした目出し帽の男

……ではなく、むしろ逆。

白衣を纏った医者のような男だ


「いや、『医者の様な』じゃなく『医者』だ」

「聞かれてる⁉︎」

「『聞かれてる』じゃなく『聞かされてる』だ。 それにお前勘違いしてるのか分からんが此処はただの病院だぞ?」

「病院…?」

「まぁ君の話では彼は道端で倒れていたのだろう? 前後の記憶が混濁していても仕方がないだろう。 私がこの病院で医者をしている『アーシャ』だ。気軽にアーシャ先生と呼んでくれて構わんよ。 自己紹介ついでにもう一つ言わせていただくと、彼女は確かに君をこの病院に連れてきてくれた人だよ?」

「まぁなんだ。お前に何があったのかは知らんが…ってオイ何やってんだお前」


気付けば僕は地面を頭にめり込ませる勢いで土下座をしていた。

構成要素は罪悪感と感謝のみ。

純粋かつ率直な謝罪の気持ちを自分なりに伝えていた。


「本当に申し訳ありませんでした」

「分かれば別に良いって言ってんだろ…そういうのされると逆に気まずくなるからやめてくれって……」

「僕に出来ることがあるならなんでも手伝わせていただきます」


_________________________________________


目の前で突然土下座をされるってのは初めてだが、案外動揺するものだ。

と案外冷静に分析しながら私は吟味する。

私は物心付いた頃からそう教え込まれた根からの盗賊だ。

最初は金目の物さえ貰えればと思っていた。はずだ。

だが


「それなら……」


言葉は私が思うよりも早く出ていた。

その後も何故そう言ったのか、その理由は私には分からなかった。

寧ろ逆だったのかもしれない。

ただ自らに内在する『カミ』か何かの声を正当化するために盗賊である自分を利用しただけなのかもしれない。

自らを超越する存在を信じない様な異端な私にそんなバカげたことを想起させる程に

まるで球が坂道を転げ落ちるように

あまりにも自然に声を零した。


「私と一緒に魔王討伐をしないか?」

「魔王…討…伐……?」


自分の体の中を言語が駆け回るような感覚が貫く。

自分の理性を置き去りにして自分だけの世界が再構築されるような

そんな不安に襲われる。


ここからだ。

私と最弱勇者(この男)の伝説が始まったのは。

あくまでも現実世界に合わせるとするならば、設定は中世〜近代くらいになるんじゃないかと思います。

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