第1話 いつもの日常
処女作なので優しい目で見てください
この世界にはスクールカーストという身分制度がある。
僕、国崎トオルはその最底辺である。
本場のヒンドゥー教では生まれによって身分が決まるらしいが、学校ではそうではない。学校ではスクールカーストのトップがそれを決める。
僕はそのトップに立つ人物に目をつけられてしまっていた。
今日も地獄の朝の時間がやってくる。
「おはよー。ヲタ君。それでは、本日も生存税、徴収しまーす」
そういって、僕の肩を叩く180センチぐらいの大男。制服は着崩していて、すこしパーマのかかった髪。とてもチャラい感じだ。親がこの学校の理事長で、先生たちも強くは言えない。だから、学校で好き勝手やっている。言うことを聞かない奴は力でいうことを聞かせる。そんな彼の名は田村慧という。武はいつも少なくとも3人は男子生徒を連れて行動している。今日もそれに反することなく5人のお付きがいた。
「き、今日。お金、持ってきてない…」
「なんだって。よく聞こえないなぁ~」
慧は僕の肩を強く押し、その反動で、僕は尻餅をついてします。
地面に横たわっている僕の胸倉を掴み、慧は僕の顔に顔を近づけて、”もう一度同じこと言ったらわかってるんだろうなぁ”という顔で僕を睨みつける。
「ひっ、わかりました…」
僕は胸ポケットから財布を取り出す。
しかし、普段からいじめられている僕の手はまるで、冬の乾燥した主婦の手のように手荒れがひどく、手を曲げるだけでも、痛い。
だから、僕は財布と取り出すだけでも、時間がかかってしまう。
突然、慧が僕の横腹を蹴る。
「ぐっぐぁ」
慧のことを睨めつけてやった。
「お前、金出すだけなのに、時間かかりすぎなんだよ… なんだその目は」
今度は、横たわっている僕のお腹を武が蹴る。それ以上はどうも反抗する気が起きなかった。
「お前ら、こいつの制服から財布奪え」
「慧さん、もうやめましょうよ。こういうのよくないと思います」
「お前ら、いつから俺に指図できるほど、偉くなったんだ? ああん」
「っひ。すみません。」
「分かったら、早くいってこい」
武のお付きのうち、一人が僕の制服から財布を奪う。
「ごめん。だけど、俺を助けると思って我慢してくれ」
彼はそう僕の耳元で囁く。彼は僕の財布をもって武のもとへ走っていく。武は彼から財布を受け取る。
「ん、さっきお金ないって言ったけど、あるなぁ~。あれ、ヲタ君ウソついちゃったのかなぁ。これは、罰金としてチョーシュー」
武は僕の財布からお金をすべて抜く。その瞬間、僕は気を失った。
どうしてこんなことになっちゃたんだろうか。
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始まりは入学式のとき、この高校ではほとんどが地元の中学校出身であるため、もうすでに入学当時にはカーストが決まっていた。
しかし、僕は遠くの学校からやって来た、いわゆる部外者であった。そのせいで、誰に歯向かってはいけないのかを理解していなかった。
武の下駄箱の上に僕の下駄箱がある。
初めて学校に来た日、僕は間違って武の下駄箱に自分の靴を入れてしまった。後から、来た武が自分の下駄箱に入っていた僕の靴を学校のトイレの便器に捨てた。その捨てられた靴を発見した教師がこの靴は誰のかを聞いて回り、僕のだと判明した時、僕は物凄く怒られた。僕の言い分などは聞いてもらえなかった。その光景を、わざわざ僕に見えるように見て笑っている男がいた。そいつが田村武であった。僕はこの瞬間、確信した。『犯人はこいつだ』と。
その後、僕は慧を呼び出して、このことを聞いてみた。武はヘラヘラと僕のことを軽くながす。頭にきた僕は慧を殴ってしまった。
その瞬間だった。慧が変わったのは。
「お前、よくもよくもよくもよくも。おやじにも殴られたことないのに!」
慧は怒髪天だった。怒りのままに、僕を殴ったり、蹴ったりした。
僕にあたり散らした後、吐き捨てるように慧は僕にこういった。
「お前、生まれて来たこと、後悔させてやるから」
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気づくと、僕は保健室のベットの上にいた。慧たちにいじめられた後にはなぜか気づくといつも保健室のベットの上で目覚める。
時計を見ると、すでに2時限目が始まっていた。
すくに教室に向かおうとする。
「いたた。」
どうしても、先ほど武にやられた傷が痛む。しかし、どうしてだろうか、きれいに処置されていた。このまま安静にしていれば、傷跡すら残らないでだろう。
僕は、傷の痛みに耐えながら、教室に向かって走り出す。
誤字・脱字等々あれば教えていただけると幸いです




