表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たかがモブキャラ、されどモブキャラ  作者: 沙都
1年生【1学期】
8/13

8.寮

「うわ、広っ!」


最初に言った通り、この学校は全寮制。二人一組で部屋を割り当てられるのだが、これは広すぎるだろう…。


お風呂とトイレはもちろん一つだが、なんと一人一人の部屋がある。部屋にはベッドに机、本棚、クローゼットまでついている。その各部屋以外に共通で使用する部屋、リビングかな?があり、そこには大きなテレビと二人がけのソファとテーブルが置かれている。もちろんキッチンもちゃんとあって、炊飯器やレンジまである。


お金かかってるなぁ……。この部屋が全校生徒分あるとぞっとする。もともと普通科の高校に比べて生徒の募集人数は少ないが、それでも凄いだろう。ちなみにこの部屋は4階にあり、寮は12階まである。1から4階が1年生、5から8階が2年生、9から12階が3年生の部屋がある階となっている。


寮というより、見た目はマンションだ。


「千夏、どっちの部屋使う?」


リビングに荷物を運び終えた春乃が私に声をかける。そう、私のルームメイトは春乃だったのだ。嬉しい!


「どっちでもいいよー。」


「じゃあ、こっちの部屋使わせてもらうわね。」


「はーい。」


私の返事を聞いて春乃が部屋へと入っていく。さて、私も部屋に荷物を運ばなくては。




なんとか部屋に荷物を運び終わり、服や教科書などをなおし終わった。ベランダに続く窓からオレンジ色の光がさしていて、日が落ちてきた事がわかる。

私はがらりと窓を開け、ベランダへと出る。


「綺麗。」


外の景色は目の前に遮るものが何もなく、空が綺麗に見える。そういえば、ゲームの主人公もこのベランダで星を眺めたり、攻略対象のキャラと話したり、時には一人で泣いたりしている事があったなぁ。


「あれ、あれは…桜井さん?」


下の方の庭にベンチがいくつか並んでいるのだが、その一つに桜井さんともう一人座っている。あのピンクの髪の毛は間違いなく桜井さんだろう。


……あ、これイベントだ。相手はたぶん西澤瑠衣(にしざわるい)。本を読む事が好きでいつも本を読んでいる西澤瑠衣は人と話すことが好きではなく、基本ほとんど話さない。ちなみに、西澤瑠衣もイケメンだ。

このイベントは、ベンチで本を読んでいた西澤瑠衣の所に主人公が通りかかるんだけど、その時西澤瑠衣はうとうとしていて倒れそうになっていた所に主人公が危ない!と言い、隣に座ったらちょうど主人公の肩にもたれるようになってしまうというものだ。しばらくしたら西澤瑠衣は起きるんだけど、主人公が西澤瑠衣が読んでいた本のことを読んだことがある、面白かったと言うと西澤瑠衣はその話に食いつき、そこから仲良くなっていくというものだ。ふう、説明疲れた…。





主人公の桜井さんはいったい誰とくっつくのだろうか。ぼーっと眺めていると、ふいに桜井さんと目が合いにこりと微笑まれた。かわい…じゃなくて!え!びっくりした……。桜井さんは私が見ていたことに気づいていたのだろうか。ここ4階なのに。


思わず後ろに後ずさるとチャリンと何かが落ちた。


「あ、これのこと忘れてた。」


私が落としたのは今日保健室で拾ったシルバーの星が7つついたブレスレットだ。そのブレスレットを拾い上げて眺める。


これ、ほんとに誰のだろう。誰かの大切なものだったら申し訳ない。早いところ持ち主に返さなきゃな。


「……ん?色がついてる…?」


1つにうっすらと、本当に僅かだが赤色になっていて、もう1つ

の星も同じように色がついている。こちらは緑かな?他の5つには色がついていない。

最初拾ったときは色がついている事に気づかなかったけど…なんか微妙な色合いだな。もう少し濃い方がいいと思う。


「千夏ー!こっち来て」


「あ、待って!今行く!」


リビングの方から春乃が私に呼びかける。何かあったのかな。


もう一度、桜井さん達がいたベンチを振り返るとそこには誰もいなかった。






今回は説明文ばかりになってしまいました。次は残りの攻略対象のキャラが全員でてくる予定です。


誤字脱字があれば教えていただけるとありがたいですm(__)m

いつもお読みいただきありがとうございます!


※2015/04/24。1から8までのサブタイトルをすべて変更しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ