1.学校前
4月7日。天気は晴れで、空は綺麗な青空だ。桜はお日様の光を受けて光り輝いているように見える。
ああ、今日から私も高校生か。この学校に来るのにはとても苦労したな……。
私こと、橋田千夏はこの学校に来るためにそれはもう死ぬほど努力した。
そこまで頭がいい学校という訳ではないのだが、いかんせん私の頭が悪いので……その点で苦労した。
なぜこの学校を選んだのかというと、制服が可愛い!総合学科である!そして全寮制!この3つが主な理由である。
制服は黒の布地にピンクと赤のチェックが入っているスカートで、上はブレザー。カッターシャツは白、青、ピンクから選べる。スカートとお揃いの模様のリボンとネクタイはどちらを着けてもOKだ。
何と言うか、こう、コスプレでよくある制服みたいな感じだ。……うん、ごめん説明下手だね!
2つ目の理由の総合学科っていうのは、大学みたいに自分が選んだ教科を受けれるというものだ。
1年次は普通の高校と同じようにみんな同じ授業だが、2年からは自分で好きな授業が選択できるようになる。
もちろん、いくつか縛りがあってテストがある授業を無くしたり楽な授業だけをとることはできないが……。
私にはやりたいことがあるので、それにそった授業が多くとれることが魅力だった。
そして最後、全寮制。
これはまぁ友達と住めたら楽しそうだなって理由だけだったりする。
曲がり角を曲がると学校が見えた。
「うわぁ、やっぱでか……」
この学校はいろんな授業をするためにたくさんの教室や施設があり、その分学校も大きくなった。金かけてるな。
こうして学校を目の辺りにすると不安なこともあるけどわくわくする!
その時、向かい側の曲がり角を女子高生が歩いてきて、反対側の角からは男子高生走ってきている。
「ちょ、危な」
あらら、声をかけようとしたものの遅かったようだ。二人はぶつかってこけてしまった。何と言う漫画みたいな展開……
ぶつかった二人はお互い立ち上がったと思うとすぐに言い合いを始めたようだ。内容は聞こえないけど。
これ、ほっといて大丈夫かな?
女子高生の方が大きな声で怒鳴ったのかと思うと、男子高生の方にハンカチ?を投げつけて学校の方へと走り去った。
「…っい!!?」
その場面を見たとき、頭に何か硬いもので殴られたような衝撃がはしった。
痛い痛い痛い痛い!!!何か入ってくる、なにこれ痛い痛い痛い!!!
いつの間にか地面に伏せて目からは涙が出てきた。
え、なにこれなんかの病気っすか?元気だけが取り柄なのにっ痛いっ!くっそう!意味のわからない痛みに怒りが湧いてくる。痛いわこの野郎!!!
……あ、これほんとにやばいやつ。頭の痛みがすーっと引いていったかと思うと次第に視界がぼやけてきて体に力が入らなくなる。
こんな道中で倒れるなんて恥ずかしい。どうせ倒れるならもっと違う場所がよかったとか呑気に考えている間も意識が朦朧としてきた。
……もうだめだ。おやすみなさい