深層意識下の先天的宗教とその考察
お題「宗教上の理由で怒り」必須要素「白トリュフ」
宗教上食べられないもの、というのがある。
大半は牛とか豚とかの肉が神様だと定められているために食べない。
まあ僕の友人のイスラム教徒は日本に留学しに来て「餃子も豚まんもおいしい」と開き直ったわけだが。いいのかそれで。まあ、宗教で禁止されているはずなのに殺人事件はなくならないし、日本人の僕からすれば殺人に比べれば食の戒律なんてどうってことはない。
そんな彼が、宗教で禁じられているわけでもないのにどうしても食べないものがある。
それが白トリュフ。
なんでも「あれは脳みそだ」とのことだ。見た目が脳みそとか人間の体内の脂肪とかに似ているらしい。
「なんでそんなこと知ってるの」と訊いては見たが「お前は知らないの?」と訊き返されてしまった。今日日ネットでいくらでも画像を探せば見られるし、探してもいいのだが、気持ちが悪いのでそれで終わりにしてしまった。
そうしてなんとなく僕も白トリュフを食べないまま大人になった。
それほどお金持ちなわけでもないし、機会がなかったともいう。むしろ何に入れるんだアレ。
実物は数回デパートの食品売り場とかで見かけたけど、僕には脳みそというよりも白いジャガイモに見えた。彼も食べる機会なんてほとんどなかったはずなのに、なんであんなに白トリュフを嫌悪していたのかよくわからなかった。
もしかしたら、彼には白トリュフを食べてはいけない、という戒律が生まれながらにして意識の底に埋められていたのではないか?だから後天的に得たイスラム教の戒律を破っても平気なのではないか?
例えばアレルギーが、その人の意識の底にある戒律を破った罰だとしたら?
どうしても嫌いな人、というのは、自分の中の戒律に抵触する人なのでは?
いわゆるサイコパスと呼ばれる人の深層意識化の宗教では、殺人は正当化されているのではないか?
恋人に「世の中のどうしようもできないことは全て深い意識下の宗教戒律説」について力説してみたが、「そうやって自分の責任から逃げる人、きらいなの」と振られてしまった。
彼女もきっと、深層意識の底の、宗教上の理由でお怒りなのだ。
僕はきっと、彼女の戒律に触れてしまったのだ。