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私がご主人様に仕える様になって一年。私には、一年前から以前の記憶が無い。ご主人様に仕える前の名前、家族、友達との思い出……全てが忽然と消えてしまった。名前も住むところも無かった私を拾ってくれたご主人様に何かしたくて、メイドになり、今に至る。
ご主人様は記憶を取り戻す必要は無いから、と言う。でも、いつまでも甘えてばかりはいられない。私は記憶を取り戻そうと思った。
そんなある日、ご主人様の鞄に知らない携帯が入っているのを見つける。電源を入れたら知らない人からたくさんのメールが届いた。
そして――少しずつ蘇る記憶。
思い出せば、全て、良くなると思っていた。この病気も、迷惑かけてばかりの私自身も。
一年前に人生を閉じた彼女。ご主人様に仕える私。メールの送り主。
全ての歯車が動き出す。
「いつも言っているが、俺はそこまで朝頼り無いか?」
御曹司
「焦るな。何事も急がば回れ、だ。治療も同じ。急いては事を仕損じる、というのも付け加えておこう」
医者
「あ、あの……あ、ありがとう……ございます」
人生を閉じた少女
「ようやく見つけたよ」
私の記憶に隠された真実と思い。解き放つ時は、今、目の前に――
とある資産家の御曹司と、メイドの現代身分差恋愛。
”ただ君のまま”
「出来る事なら、この手の中で閉じ込めてしまいたかった……」