表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/11

始まりの日

大変短いです。

(うまくいかないものだなー)


エリューゼは馬車の中から、流れる風景を見つめ、ため息をこぼした。

向かう先は、国立騎士養成学校。

ついに物語が幕を開くのだ。

ライオットと出会ってから、早五年。

彼との関係は良く言って、幼馴染。

それ以上でも、それ以下でもない。

別にこの五年間、エリューゼは何もしなかったわけではない。

ゲーム本編が始まる前に恋仲になってしまおうと、様々な努力を続けてきた。

自分磨きは勿論のこと、仲良くなろうと隙を見つけては話しかけたり遊んだりしたのだ。

だがしかし、彼の好みの女性像が彼の攻略の邪魔をする。

彼の理想になろうとすると、積極的にアプローチなんてできないのだ。

なんてやっかいな男なんだ。

でもそこが素敵。

エリューゼはこの五年で新たな境地に目覚めていた。


「エリューゼ、どうかしたのかい?」


馬車に同席しているレイモンドが、エリューゼに声をかけた。

男ばかりの養成学校に大事な妹を一人で送り出すことは、どうしても出来なかったのだ。


「なあに? お兄様」

「ため息、ついていたよ」

「あ、その、緊張してしまって・・・」

「緊張?」

「だって初めての人と沢山出会うのですもの。緊張しますわ」


そういって、エリューゼは頬を染めて微笑む。

その姿は、新たな生活に期待に胸をときめかせている姿に見える。

表面上は。


(へへへ、いい男沢山いるんだろーなー。いい男ウォッチ! でも一番はライオット様よー!!)


エリューゼは、変態で面喰いである。


「そうか、心配しなくてもいいよ。今日は顔合わせだけなのだし」

「でも、皆さまの前にでて挨拶をしなきゃでしょう? ちゃんとやれるかしら、私・・・」

(良い男パラダイスで、鼻血だして倒れないかしら、私・・・)

「はははっ! それこそ心配する必要なんかないさ。エリはいつも通りにしていればいいのだから」

「でも・・・」

「じゃあ、緊張を解くおまじないをしてあげる。目を閉じて?」

「えっと、こう?」


エリューゼはレイモンドにいわれた通り、目蓋を閉じた。

すると、閉じた両瞼の上に温かいものが触れる。

レイモンドの唇であった。


「お、お兄様!」

「どうだい? 緊張は解けただろう?」

「そ、そうですけど・・・」

(何してくれてんのー!? お兄様! 大丈夫、これは単なる兄妹の親愛の情よ。断じて禁断の愛とかそんなもんじゃないわ! ・・・それにしても、すこし兄と距離をとったほうがいいのかもしれないわね。このシスコン、いずれライオット様との愛を育む時に障害になりかねないわ)


レイモンドは戸惑うエリューゼの反応を見て、満足そうに微笑んでいる。

彼の真意は掴めない。


「あ、ほら、エリ。学校が見えてきたよ」

「あっ、本当」


ここから始まる物語。

何が待っているのかは、わからない。

でも・・・


(かならずライオット様とラブラブになってやるぅぅぅううう!)


この決意だけは絶対に曲げない。

兄が、兄が、暴走している!!

私では止められません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ