結論国民
「何をするつもりですか?」
苛立ちの混じった声でそう問い掛けられた。
だから当たり前の答えを返した。
「この政策を潰すんだろ?」
「・・・・・そうですけど?」
「御上の方ブッ飛ばさないと気が収まらねえじゃん。」
「黙れシスコンが。」
だから眼鏡を外してきたのか。と絶対零度の眼差しで呟く。
軽く引いてしまう光景だったが敢えてそれには触れずに話を続ける。
「じゃあ、お前はどうするつもりなんだ?」
「そんなの決まってるでしょう。今までの歴史のなかで政治方針を変えてきたのは何だと思いますか?」
「敗北?」
一瞬空気が固まったのかと思う空白がよぎった。
その後、少年が小さく噴き出して答える。
「確かにそれもありますよね、でも僕は国民の強い声がそれだと思うんですよ。」
「声?」
「はい。国民が強く意見すればする程政府は逆らえなくなる。だって元より、政府は国民の為の団体だから。」
それから彼は今までに見たことの無い素敵な笑みでこう結論付けた。
「だから奴等の頭を捕らえてTVカメラの前で洗いざらい吐いていただくんですよ。」
左様でございますか。
今まで奴にガン付けていた自分を強者だと思った瞬間だった。