救護班
少年は何も言わずに眉根を寄せる。
だから俺もそのまま続けた。
「元々こいつは政府から預けられた孤児だったんだ。」
丁度その頃政策の実行委員にあてられた母さんは彼女を引き取った。
政府から一時的にだけでも離すためだ。
それは気休めでしか無かった。
でも、
彼女にとってはそれこそが一筋の光にすら見えたのだろう。
少女はこの政策において初めての救護班だったのだから。
だから1番目の救護者の教育に、合法的に成功すれば、
政策的に失敗してしまえばこの腐りきった政策を壊してしまえるのではないかと、そう考えたのだ。
一刻も早く、政策の実行者としての自分を殺すためには政策を潰すことが必要だった。
「自分を殺す?そんなの、政策から身を退けば早いではありませんか。」
「それじゃあ納得出来なかったんだよ。
自分の手で殺したっていう実感が欲しかったんだ。」
「理解できません。」
「無理もない。
長年政府に飼われたせいで母さんはちょっと・・・・・アレなんだ。
親父に関しては政府から圧力がかかってて使えないしな。」
ここでふと、彼は険しい顔をした。
「なんだ?」
少し考えるようにしてから慎重に口を開く。
「そこまでの情報を得ていて、何故この場に来たんですか?」
ああ、
成る程そんなことか
「必ず本業の奴がいるって事は分かってたんだ。だからそいつを上手いことのせてご意見いただくつもりだったんだ。」
「あー、初めから僕を頼る予定だったと。」
「ごめんなさい」
呆れ返った声で言われて床に頭を打ち付けかねない勢いで頭を下げる。
彼は少し焦った表情をした。
ん?
先程から少女が居ない・・・・・・・と思ったが部屋に散らばった人々に薬を与えている。
成る程、人員を増やすつもりか。
「俺はな、ただ普通に暮らしていきたいだけだよ」
俺は少女を見据えながらいうと、いい放った。
「さて、始めるか。」
薬が聞いてきて自由がきくようになった体で少し伸びをしてからまたその場に横たわった。
作戦開始だ。




