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許されざる女性の魔法使いと三日月

「ステルラ・セイス・クレセェリー」愛称:ステラ

女性の魔法使いいわゆる魔女、17歳

黄金色の髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ美しい少女だが

なにを考えているのかちょっと読めない



「クレセント」愛称:クレス

母親を失った少女、城下町に住むごく一般的な存在だった

赤毛に赤い瞳、天体観測が趣味、15歳


ようやくの思いで西のはずれにある塔のような高い建物に辿り着く、そこで母親を処刑された少女クレセントは雨宿りをしていた。一階の入り口のドアを開けると薄暗い空間の部屋が広がっていた、夕立はひどくなる一方で雷まで鳴り出した心身共にボロボロのクレセントはまたその場で泣き崩れた。


「…何もなくなっちゃった」


彼女の母親が使用した魔法はクアトロと呼ばれる魔法だったクアトロは主に怪我の治療などに使われる魔法だが使用者の魔力が強ければ強いほど強力になって行き死者の蘇生をも可能にする。母親は娘のクレセントが死に掛けていたところでクレセントには生きて欲しい一心で使用し運悪くその場を見つかってしまい処刑された。
























私は空っぽだ…住む場所も肉親も安心できる場所も全て失ったこれから私は何をすれば生きていけるのだろう、ため息を付いた。


「まったくだれ?人の家に勝手に上がりこんでるのは…あなたは?」


二階から誰かが降りてきて私に向かって言い放たれた言葉、敵意は余り感じない雷の光で一瞬だけ姿がくっきり見える、黄金色の髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ美しい女性だ。なんというか一瞬だけ見えただけなのに神々しさを感じる。


「あ、すいません雨宿りさせてもらえます?」


「これはただの雨じゃないわね…まぁいいわ今日くらい、それにあなたも訳有りみたいだし」


彼女は私を二階へと手招きしたこの建物は外からの見かけによらず中はとっても綺麗で広い二階には沢山の本があったが読む気にはならない見ているだけで頭が痛くなってくる…。


「本をなるべく見ないでね…死ぬわよ」


「え…」


本を見ると死ぬ?意味が分らない、そのまま三階へあがる今までとは違って汚くてひどい腐敗臭が鼻を突いた…さっきの本よりこっちの臭いで死にそうだ。三階はいくつか部屋がある、扉を開けるとなんとそこには死体が山ほど転がっていた。


「ひっ!!」


「ああ、気にしないで近いうちに使うからとっておいてあるだけ」


いったい何に使うというのだろう…この人は何を考えてるんだろう私には分らないし第一印象の神々しさとは正反対のなにかを感じる…そのなんていうか薄気味悪い感じ。残りの四階五階には何もなく人が問題なく暮らせるようだ、私は五階まで招かれてこの塔でもっとも綺麗な部屋のソファに座っていた。

 

 「ステラ」


「へ?」


「私の名前よ。本名はステルラって言うんだけど呼びにくいでしょう、あなたの名前は」


「クレセント…クレスって呼ばれてます」


互いの自己紹介を済ませる。一応こういう行動も礼儀のうちに入るのだろうステラはそれ以外私に何も聞いたりはしなかった、そのまま食器棚の中からティーカップを二つ取り出し机の上に置いた。


「それじゃ、なにが飲みたいか言ってみて」


「緑茶!」


「女の子なのに随分渋いのね…私は紅茶でいいや」


飲みたいものを言うとティーカップの底から何かが沸いてきた…間違いなくお茶の臭いがする、まさかこれは魔法?この人狂ってる…いまのこの世界の状況で使ってもし発見でもされたらおしまいだ。


「そう怯えないでよたかが魔法で、あなたも魔法で生かされてる身なんだし」


この人…なんでそのことを。


「そう…ですけど…見つかったら」


ステラは外を見るため窓の近くへゆっくり歩いていく。


「ここには誰も来ないわよ、雨止まないわねぇ…まだ探ってるのかしら」


探る?この人完全にやばいかも…そう思っていた時だった、下の階から叫び声が聞こえた。耳を劈くものすごい声がした。


「なに!!?なんなの!!」


その声はいつまでも続く下の階からずっと響いてくる恐ろしい。震える私の様子をみたステラはゆっくりとこちらに近づいて私を抱きしめた。


「大丈夫怖くないから」


なぜだろう不意に懐かしい感覚に囚われて眠くなる…このいい臭いはお母さんに似てる。っておいまてぇ!!なんで私の胸をこの人触ってんの!!


「ちっぱい…でもやわらかいなぁ…」


「なにするんですか!!いきなり人の胸に触らないで下さい!!それとちっぱいっていうなぁー!!」


コンプレックスを指摘された…どこかの誰かさんがステータスだという名言をお残しになられたが正直私はそれをモテナイ男たちの目標を下げる都合の良い言い訳くらいにしかなってないと思う。女性としてあるべきものが備わっていたほうが絶対にいいに決まっているのだ!もしそれでも「小さいのがいい」なんて言うんだったら私はその幻想をぶち壊す!!


「よかった全然元気ね…異端審問の連中はまだ諦めてないのかしら…やれやれまた死体が増えるわぁ」


まてよ…さっきの叫び声といい死体に…見ると死ぬ本…まさかこの人異端審問の騎士たちを殺してる!?でもまさか…男性は魔法を使えるわけだしその程度のトラップ抜けてくるはずだ。それともなにかこの人の魔力はそこまですごいのか?


「片付いたわね全員死んだ…雨もじきに止むわ、あなたはどうするの?こんな場所に来るってことは身内が審問に引っかかりでもしたってところでしょうけど。」


「鋭いですね…ついさっきそうなりましたよ」


「【魔女の肉親は城壁の外で悔い改めさせろ永遠に】いかれたルールの一つね、今夜は三日月か丁度いいわ」


そういってステラはソファにドスンという音を立てて私の横に座る。


「なんですか?…」


「弟子になる気ない?」


飲んでいた緑茶を吹きこぼした何を言っているんだこの人は!魔女の弟子なんかになったらそれこそ命がいくつあっても足りない!!…でも断ったところで行く当てなんてない。いまの私にはとてつもない弱みに付け込んだ卑怯な問いだ。


「なりますよ…そのかわり私の事は確実に守ってください」


「いいわよーならまず、私の真名まなを教えておこうかしらぁー」


真名?この人の真名ってステラルじゃないの?そう思っていたら彼女は部屋の真ん中に立ち目をつぶるそして深呼吸をすると部屋から光の粒子が沸き立ち始める


「我が名はステルラ・セイス・クレセェリー、汝を弟子として迎える」


…最初あったときに感じた神々しさが思い出される、なんだろ不思議とその神々しさに不安やつい最近まであった絶望感がかき消されてく。光の粒子のひとつが私の胸の中に入り込む、あったかい。

{本気タイム終了}ん?なんだいまなんか聞こえた、光の粒子に気をとられていたらステラの姿を見失った…。


「アーチーチーアーチー♪」


ソファに寝転んでいた…神々しさの小意気のかけらも今は感じられないそれにこのBGMと有名な歌の歌詞のサビのフレーズ…やめろぉぉぉぉぉ!!


「歌わせねぇよ!!」


私はとっさにBGMを流してるラジカセを投げて破壊、私は悪くない多分。


「あーせっかく作ったのに」


悲しそうな顔をするなぁ!私のせいだろうけどこれはアカン!!いろんな意味でアカン!!


「まぁいいやぁーえーと弟子の契約は済ませたし王族の弟子として恥ずべきない行動をとるようにそれと、ああこの本だ基本的魔術の経験はあなたある?」


「ないです」


「じゃこれで、自分で勉強して応用は後々教える…」


不安だ。


「不安な顔しない!男性じゃないんだから魔法の素質は良い方だろうし」


性別関係あるのか…まてよさっき弟子になったけどなんかセイスとか言ってなかったかな…?まぁいいや、弟子ってなにすればいいか肝心なこと聞いてなかった。


「クレスー来週までにクアトロまでの魔術は覚えておいてねぇーでないとあなたの母親みたいな人増えちゃうよ」


ソファに寝転んだままそんな事を言われても説得力に欠けるにもほどがあるだろう。やれやれまぁいまは大人しく言う事を聞いておくか。

ちぢく。


明日の正午でアナログ放送が終わります…あーチクショウ!!

地デジがもってないよぉぉぉぉぉぉ!!

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