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二人の待ち時間

「なんだこの文字……リリーちゃんはなんだかわかる?」


「いいえ、初めて見ます。不具合かしら……もう一度お願いできるかな?」


「はい」


 次に現れたのはこちらの世界の文字。

 知導、種族人、治癒レベル10。


「チビもレベルカンストなのかよ。すげえな」


「サポーターとして有能じゃないですか!」 


 「凄い」という視線を受け知導はなんだか耐えきれず絡新婦の後ろに隠れた。


「それで冒険者カードは貰えるのでしょうか?」


「ええ、問題なく。さっきの受付場でお待ち下さい」



――― 



「おい絡新婦。普通に座らせろ」


「嫌です。幼子の成長は早い。何時まで乗せられるかわからないので」


「お母さんかお前は」


「いいえ?愛しいアナタの伴侶です」


「犯罪臭がすげえよ」


 両手で知導の頬を絡新婦は包みこむ。

 普通なら顔を赤く染めるだろうセリフと甘いマスクだが、見慣れた知導はジト目で彼を見るが気にもせず絡新婦は笑う。


「にしても、俺は一体何になったんだろうな」


 自身の手を見ながらつぶやく知導の額に絡新婦は口づけを落とす。


「私はアナタが何者でもどんな形になろうと愛しております」


「知ってる。俺もそうだ。絡新婦。どんな姿形でもお前が好きだ」


「幼子の姿でなければ押し倒していたところですよ」

 

「1回も手を出したことないじゃねえかお前」


「妖怪は長く待てるのです。ちゃんと私を受け止められる身体になった時はお覚悟してくださいね」


「犯罪者め」


 耳元で囁かれ知導は不機嫌そうにそっぽを向く。

 その耳は赤く色付いていた。

 



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