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異世界
(―――認められたかった。両親が死にたらい回しにされた俺を。何も本当の子供と思ってくれなんて思ってなかった。ただ―――)
「起きてください。知導」
「じょろーぐも?……!!」
見たことのない草原の中。
いつもと違う高い声と舌足らずの発言に知導は口に手を当てた。
そんな様子を絡新婦は愛おしそうに知導に視線を合わせ膝をつきながら微笑む。
「無理もありません。アナタは今幼子なのですから」
「何で?!」
(死にました。の次は子供ってなんだ?!)
状況が分からず混乱する知導を絡新婦は座り自身の膝に乗せた。
「私が願ったからですよ」
「……勝ったのか」
「ええ、気がついたら私しか立っていませんでした」
ふにふにと知導の手を触りながら絡新婦は完結に答える。
人を、妖怪を殺した。その事に罪悪感はない。
何十回も殺し、殺されかけたのだ。今更である。
「何を願った」
「永久にアナタといれる事を」
「バカだな。それじゃあ、オレの願いはもう叶ってるじゃん」
知導は目頭に涙を浮かべ子供の満面な笑みを浮かべた。