師走の忙しさで体が小さくなった新米教師。
師走。
新米教師の私、ほのか(23)にとって、走るほど忙しい月。
12月半ば、忙しさとストレスでアパートの自室で倒れ、気が付いたら10歳くらいの体になっていた。
麻里子「しばらくは有給休暇ということで。」
ミサキ「残ってる仕事は、あたしたちが分担するから。」
大学の先輩のミサキ先生の部屋で横になる。
主担任の麻里子先生も一緒。
「ありがとうございます。」
ミサキ「何日かしたら元に戻るって。」
麻里子「黒の組織には追われてないから大丈夫よ。」
「先輩、タバコ辞めたんですか?」
「最近高いから、電子タバコに変えたの。休みの日だけね。」
見た目は子供・頭脳は大人の私は、有給休暇を取り、4年生の授業を見学。
「ほのか先生だ。」
「ほのかちゃんかわいい。」
「前髪ぱっつん黒髪ロングだね。」
担任「生徒だと思って接してね。」
生徒たち「はーーい。」
意外と早くに打ち解けた。
「教師や生徒も忙しいから、リアリティやツッコミも端折るって。」
カナッペちゃんが教えてくれる。
生徒と共に授業を受ける。
生徒目線で先輩の仕事を勉強させてもらう。
【金曜日の放課後】
「疲れたーっ」
十何年かぶりの小学生生活は、なかなか慣れるものではないかな。
カナッペ「お疲れさま先生。」
ほのか「終業式までには元に戻りたいな…」
ミサキ「何?クリスマスにお相手いるの?」
しーちゃん「誰誰?」
てる坊「達也くん?」
ほのか「お相手はいないし、達也くんでもないよ。ただ、副担任として、一年の締めくくりは先生として締めたいかなって。」
「先生…」
麻里子「そういうと思って、銭湯で体が元に戻る薬湯を手配してもらったわ。」
ほのか「お代は…?」
麻里子「いつもお世話になってるから、大人料金の2倍でいいらしいわよ。」
老舗の銭湯【月の湯】へ。
カナッペ「芹那ちゃんと元気くんも生えてきたよ。」
芹那「大人の仲間入り〜」
元気「健太よりひと足お先。」
てる坊「でもしーちゃんよりは少ないね。」
しーちゃん「いやん」
「ほら、ほのかちゃん。」
「でも…」
ハダカは何度か見せ合ってるけど、いざ体が小さくなると、歳の近い子供たちに見られるのは抵抗がある。
僅かに膨らみかけた胸を両手で隠し、小タオルを腰に巻く。
胸を片手で隠しながら掛け湯をし、
胸を隠しながら湯船を跨ぐ。
「タオルの隙間からワレメが見えた!」
「きゃっ」
それを見たカナッペが、赤面して両手でワレメを隠す。
タオルが腰からハラリと落ちたので、開き直って仁王立ち。
カナッペも並んで、股間から両の手を離した。
浴室に拍手が響く。
芹那「露天風呂の寝湯で横になるんだって。」
露天風呂の寝湯で横になる。
熱過ぎないお湯加減で、シュワシュワっとしたものが体を包む。
「ちょっとずつ変化していってるよ。」
「1分で1歳くらいかな。」
「11歳の終わり頃に毛が生えてきた。」
「13歳くらいでおっぱいが膨らんできた。」
「毛がだんだん濃くなってきてる。」
「膨らんでシュッとしてきた。」
「実況しないでーー」
「髪型や色も茶色くなったり黒くなったり。」
「ちょっと冒険したんだね。」
そういえば、冒険もいろいろしたな。
思い出したくない若さゆえの過ちも…
小話や雑談を挟みつつ、13分で23歳の体に戻る。
芹那「気分はどう?」
ほのか「わりとすっきり。」
しーちゃん「年末に間に合ったね。」
【終業式】
「風邪や事故などに気をつけて、楽しい冬休みを過ごしてくださいね。元気な姿で三学期にお会いしましょう。」
麻里子「よかったわよほのか先生。」
舞「先生、よいお年を。」
芹那「実家のお土産、よろしくね。」
健太「できればお年玉も」
智美「こらっ」
いろいろ大変な一年だったけど、無事に二学期を終えることができた。
来年は主担任を受け持つのか。
卒業式でクラスのみんなを送り出す時は泣いてしまいそう。
幸い、この街や実家も雪は降ってないようなので、季節風邪や雪掻きがないことを祈りつつ、実家に帰る荷物をまとめる。
来年はいい年になるといいな。
読んでいただき、ありがとうございます。
よいお年を。