全裸で組体操。
謎の銭湯【月の湯】
大正時代頃から営業しているという、老舗の銭湯。
脱衣所は男女別の混浴銭湯。
ストーリーの都合上、小説(?)のレギュラーキャラが入ってるときは、他の客がいない。
達也「設定はなんとなくふわっとしてるんだよね。」
伊織「最初に盛り盛りの練り練りにしちゃうと、あとで面倒なことになるしね。」
しーちゃん「わたし達はなんの変哲もない人間族だよ。」
元気「今更だけど、男子とお風呂は恥ずかしくない?」
芹那「流石に恥ずかしいけど、あたし個人的には知らないおじさんに裸を見られるよりはいいかなって。」
アキラ「それに、みんなで脱げば怖くないしね。」
しーちゃん「みんなで脱げば怖くない!」
カナッペ「みんなで脱げば怖くない!です。」
芹那「あと外の世界がいろいろアレだし、小説内では、人間関係でどうにもこうにも複雑な関係や、コンガラガッチャカコンガラコネクションとかはなるべく避けてるって。」
しーちゃん「こういうご時世だと、ほんわかした日常アニメやくだらないバラエティとかの需要がわかるよ。ね?てる坊。」
てる坊「………」
カナッペ「てる坊?」
芹那「乳首やワレメ以外のことも考えて?てる坊」
てる坊「かかか考えてねーし!」
アキラ「さっきから目が泳いでたのそれかー」
カナッペ「やらしー」
てる坊「違っ!それにおれミサキ先生派だし。」
しーちゃん「ミサキ先生のハダカ思い出してた?」
てる坊「しかしまわりこまれてしまった!…でへへ」
アキラ「てる坊はそういう枠ということで。副担のほのか先生、銭湯に通い始めてからアトピーが良くなってきたらしいよ。」
カナッペ「達也くんは、ほのか先生に告白する?」
達也「僕は…」
芹那「憧れのまま胸にしまって置くんだよ。ね?」ウィンク
達也「うん。先生も大事な時だし。」
伊織「大人だね。」
会話が弾んでるとき、もう一人の客が入ってくる。
(こんばんは。おばけです。)
見ると、白いふよふよした霊魂に、短い腕の生えたおばけが現れる。
黒丸の目にスライムの口。
しーちゃん「おばけくんこんばんは。」
達也「おばけって…」
伊織「常連さんのひとりだよ。」
おばけ(ここは古い銭湯なので、霊的なものを引き寄せやすいのです。)
アキラ「おばけくんは、バブル期に乱立したゴーストタウンに仲間と住んでるんだって。」
おばけ(おばけだけに。あと遊園地の廃墟や、廃業したリゾートホテルとか、住処は多いよ。)
カナッペ「住むところには困らないね。ところで入浴料は?」
おばけ(おばけ料金大人一枚です。)
番頭さん「まいどー」
そんなこんなでおばけも入ってきた老舗の銭湯。
今回はどういう話にしよう…
てる坊「考えてなかったんかーい!」
おばけ(坊ちゃん嬢ちゃんたちは、もうすぐ運動会だったよね?)
しーちゃん「今5年と6年は組体操の練習をしてるの。」
アキラ「サボテンが難しいんだよね。」
芹那「組体操といえば、パパの世代では中学校は男子だけの出場で、上半身裸でやってたんだって。」
元気「今じゃ考えられないね。」
芹那「休憩室で練習しない?」
てる坊「いいね。」
アキラ「4年生のカナッペも練習してみる?」
カナッペ「うん!」
伊織「あの…せっかくだし、人いない設定を活かして、ハダカで練習してみない?」
色白の清楚ヒロインからの意外な提案。
バスタオルを巻いて休憩室へ。
「じゃーん」
浴室以外で見る友達のハダカ。
なんだか妙な感じ。
てる坊「しーちゃんのも産毛生えてる。」
しーちゃん「今言うことじゃなーい」
2人組に分かれる。
アキラと元気
伊織と達也
しーちゃんとてる坊
カナッペと芹那
(化け術でちょっとサービスするよ。)
おばけが化け術をかけて、背景が変わる。
元気「学校の校庭?」
背景が休憩室から、いつも使っている学校の校庭に。
おばけ(みんな学校の校庭を思い浮かべてたから、イメージを具現化してみたのさ。)
アキラ「練習しやすい環境だね。」
伊織「私、いちど校庭を素っ裸で歩いてみたかったの!」
芹那「夢が叶ったね!」
達也「伊織さん?」
サボテンの練習。
達也が伊織を肩車。
ワレメと生えかけの陰毛の感触が伝わる。
少しくすぐったい。
伊織「重かった?ごめんね。」
達也「大丈夫。」
アキラ「元気落とさないでよ?」
元気「おっとっと〜」
芹那「高いたかーい」
カナッペ「きゃっきゃ」
おばけが笛で合図をする。
ピッ ピッ ピッ ピッ ピーーーッ
最初からは上手くいかず、太ももに足を乗せて、タイタニックになるところでぐらっとする。
「タイタニックで引っ掛かるよねー。」
「下は畳だから降りても痛くはないけど。」
3回、6回とやっていくうちに、コツが掴めてくる。
「あとは伊織ちゃんと達也くんだけだね。」
伊織「もう少しで掴めそうなんだけど…」
少し凛々しい声の清楚ヒロイン。
10回目の肩車。
首筋に伝わる感触。
ワレメと陰毛が小刻みに上下する。
達也「伊織さん、トイレは大丈夫?」
伊織「大丈夫。ありがとぅふっ!」
達也(ありが豆腐?)
首筋が微かに熱を帯びる。
ふと芹那さんと目が合う。
芹那さんは顔を赤らめて目線をそらす。
伊織「よし!イけるよ。達也くん」
達也「おっけ」
伊織の股から頭を抜く。
達也の太ももに両足を乗せる伊織。
両膝を達也に支えられながら、アクロバティックなタイタニックポーズ。
元気「おおーっ」
カナッペ「綺麗。白い鳥が飛んでるみたい。」
達也の目にも、白い鳥が今にも羽ばたかんとする姿。雪のように白いお尻が眩しい。
それからみんなでハイタッチ。
「イェーイ!」
「イエーイ!」
「てる坊おっぱいガン見しないイエーイ!」
転校生の達也は、転校前の学校では男女でハイタッチの経験がないので、とても新鮮な気持ちになる。
伊織「運動会の本番も頑張ろうねっ!」
達也「うん!」
景色は校庭から休憩室に戻る。
もう一度お風呂に入り、背中を流す。
カナッペ「おばけくんの肌、もちもちしてるよ。」
アキラ「モチ肌だね。」
しーちゃん「もちもち〜」
おばけ(あまり引っ張らないでー)
数日後、運動会当日は快晴。
男子も女子もハーフパンツ。
組体操の倒立は何組か失敗したが、サボテンは一瞬だけ綺麗に揃った。
しーちゃん「倒立はやっぱり怖いよねー。」
ミサキ先生「でも頑張ったのは伝わるよ。」
照れ隠しに鼻の下をこするてる坊。
麻里子先生「伊織ちゃん綺麗だったわよ。」
伊織「ありがとうございます!」
応援席では、白い霊魂のようなものが三体ほど、嬉しそうにふよふよしている。