王都リバース
2オニクセルの少女 と 3再び巡り の間にグレンが王都を訪れた際に感想を述べるくだりがあったのですが、うっかり本編に入れそびれていました(-_-;)
ARCADIA星跡の都編につながる設定で、このあとの外伝でリバースの名を出す機会がありますので、短編として入れておきます。
王都に向かい馬を走らせること1週間。
オニクセル領は大変賑やかだと思った。
しかし、いくつかの領地を過ぎたが、更に賑やかな町も多かった。
ワーズウェントの王都リバースに着くとその規模の大きさに驚いた。
青い城壁に囲まれた城下町はやはり青い屋根の建物が並ぶ。町の中央に王城が、そのすぐ横には真円の湖がきらめいていた。
湖の周りを緑豊かな木々が生い茂り、王城の対岸には離宮も見える。
リバースはその昔、星が落ちて来て、当時あった王城と町は吹き飛んだそうだ。
たまたま辺境へ静養に出ていた姫と弟の王子が生き残ったが、復興には10年近くかかったという。
姫は民に安らぎと希望を与え、聖女として崇められ、今では信仰の対象となっている。
神には祈らず、聖女に祈りを捧げるらしい。
復興後、王都は祈りを込めてリバースと呼ばれるようになったそうだ。
星が、落ちてくる…。想像もつかない。
だが実際に目の前に広がる湖は、星がぶつかったあとに水が湧き出したのだと言う。
壮大な話だ。
グレンはこの神秘的な湖に魅せられ、以降息抜きと称して度々湖畔を愛馬で巡った。
ここで運命の再会が訪れるのは、数年後の話である。
AIさんがイラストを作ってくれました。
イメージに近いので採用。
色彩が統一された町並みは美しいですね。




