表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/70

媚薬に酔う3-B 熱い、熱い夜 グレンSide

性的描写があります

苦手な方はご注意下さい

*初稿より改稿


前回、ジェシカ視点でしたが、グレンのケダモノ視点で描きます。肩の力を抜いてお楽しみください。




 グレンとジェシカは服を整えるとジェシカの部屋に向かった。


 あの状態でジェシカから部屋に誘われるとは…ものすごく、期待してしまう。

 グレンは高揚する気持ちが抑えられなかった。

 媚薬に浮かされた状態なのは自覚がある。

 が、それでもなお受け入れられた事に舞い上がってしまう。

 先ほどの行為は本当に加減する余裕もなく、ただ、自分の熱を身勝手にぶつけただけだ。甘さもなく、ジェシカも辛そうだった。

 ならば今度は趣向を凝らさねば。

 あれやこれやと妄想が浮かび、熱が高まってきた。先ほどまであった自制の意識はキレイに吹き飛んでしまった。

 心なしか、部屋がやけに遠く感じる。

 焦れる気持ちを必死に宥めながら、黙々と歩いた。


 ようやくジェシカの部屋に到着すると、 部屋に入り後ろ手で鍵を閉めた。

 その瞬間、我慢の限界を突破して、明かりをつける前にジェシカを後ろから抱きしめる。

 その感触で先ほどの行為を思い出し、止まらなくなった。

 寝室までの短い距離も、とても待てない。


「ま、待って!せめて着替えくらいさせてください!カーテンも!!これじゃ外から丸見え…」


 ジェシカは懲りずにわかってない。すでに待ちまくったのだ。


「明かりをつけなければわからないよ」


「せめて寝室に…」


 待てない。


「さっきの、続きだろう?」

 

 グレンは熱のこもった吐息混じりにジェシカを言い込める。そして上着を脱ぎシャツのボタンをくつろげた。

 先ほどのようにジェシカの下衣も落とし靴を両方脱がせる。


「あれだけじゃ、満足できなかったんだよね?」


 そう言ってうなじに吐息を吹きかけると、ジェシカは身震いした。

 もっともっと、もっと欲しい。

 ジェシカのシャツのボタンを外し、着ているものを次々とはぎ取る。最初の時は手間がいったが、もはや手慣れたものだ。

 ジェシカはシャツを羽織っているだけの格好になっていた。

 ひるんだ顔、白いシャツからのぞく肌にゾクリとする。


「どう、満足できなかったの?」


 グレンはまた壁にジェシカを押しつけた。こんどは後ろから。

 ジェシカのシャツを後ろからまくり上げ腰から下を晒す。

 シャツから剥き出しの腰と足が伸びている。最高の眺めだ。

 興奮を押し殺しながらジェシカに囁く。


「すぐ終わっちゃったから?いきなりだったから?

 ジェシカはぷるぷる震えて堪えている。壁に上半身を押し付け腰を突き出した形で。

 堪らない。


「そう…かも……っ」


 ジェシカがこちらを振り返って見上げてきた。潤んだ目。下がった眉、赤くなった顔、荒い吐息。

 それがどれだけグレンを昂らせているかわかっているだろうか?

 媚薬の効果か、普段の何倍も。

 目が合って怯む様子も堪らない。

 無茶苦茶に加減なく責めたらどうなるだろうか?

 

「ああ、これも気持ち良さそうだね…ホントは色々試してみたかったけど、君が嫌がるといけないから我慢してたんだ」


 どれを試そうか想像して、ゴクリと唾を飲み込む。


「今日は、許してくれるよね?」


 熱い吐息混じりの声でそう囁く声に、ジェシカは何とも言えない表情をした。

 

 ジェシカは、はあはあと肩を上下させている。その顔が見たくて、ぐいっと腕を引き壁に背を向ける体勢にさせ、ようやくグレンと目が合った。

 蕩けた表情は更にグレンを刺激する。

 身体の隅々まで自分を刻みつけたい衝動にかられた。飢えた獣のように。

 




 

 グレンは深い息を吐くとジェシカを抱えたまま窓際の机にジェシカを腰掛けさせる。

 シャツ一枚はおり、ボタンは全開で机に座るジェシカは、非現実的でさらに興奮が増す。


怯え、憤慨するジェシカの、そのむき出しの感情が愛おしい。普段は決して見せない、僕にだけ見せるその表情。もっと色々な顔が見てみたい。


「色々試させてもらわないと…ね」


「嘘でしょう!?こんなとこでする人、いません!!」


 ジェシカから抗議の声があがる。


「いや、みんなもっとすごいみたいだよ。軍部でサボってたやつの本を取り上げたらすごいのなんの。でもジェシカには無理そうなのばっかりだったなぁ」


 本のタイトルは達人の秘技だったか?

 

「無理です!無理無理無理!」


 ああ、かわいい。

 必死に抵抗する姿が、僕の最後の理性を焼き切っていく。


「だから、一番できそうなやつを、ね」


 ジェシカに試したのは初心な乙女の目覚めのページだった。


「これで!?」


 ドン引きするジェシカだったが、グレンは構わず腹部に唇をよせる。

 グレンとて、道具を使って苦痛を与えるものや、首を締め失神させるようなものは好まない。だからほんの少し場所を変えてるだけだ。

 

「ふ、うぅ……一体何が良くてこんなところでっ」


 最高だが。


「うーん、ジェシカのその反応??」


 戸惑う姿。それを強引に推し進める自分。そのシチュエーション!

 グレンのテンションは鎭まるどころか爆上がりである。


「はい?」


 ジェシカの頬がピクピク引きつっている。また、見たことのない表情。


「その顔も…いいね」


 ジェシカが何をしてもカワイく思ってしまう。猫じゃらしに噛みつく子猫をみるように愛らしい。

 どんなに色気満点な美女を目にしようと、そもそも自分や家族の顔を見慣れた王子には不思議なほど何も感じない。

 きっとジェシカだけだ。どれだけ抱いてももっとほしいと思うのは。


「ベッドでは満足できなかったんてすか……」


 同じ事を考えていたんだろうか?そう言ってジェシカはため息をつき俯く。

 そんなことは全くないが。


「そうじゃなくて………」

 

 ベッドで愛し合うのもいい。一度ごとに充足している。ただ、次から次に欲が出てくるだけだ。

 グレンはジェシカの顎を捕らえ、くいっと持ち上げる。


「ほんとはどんなところでも君を抱きたくてたまらないって事」


 目を細め口角を上げながらグレンは囁いた。


「愛してる。ジェシカ」


 心の底から湧き上がる思いを言葉にのせ唇を塞ぐ。

 呼吸も奪う勢いで貪ると、ジェシカの身体からくったりと力が抜ける。


「私、も……」


 唇を離すと、か細い声で同意が返ってくる。

 不器用な恋人は、こと恋愛に関しては酷く口下手になる。恥ずかしくてたまらないらしいが、同意して真っ赤になる姿も可愛い。

 恥ずかしがっていても、何をしても結局受け入れてくれることも。

 王子はジェシカを強く抱きしめる。


「嬉しいよ…」


 今度は柔らかく微笑んだ王子にジェシカは更に顔を赤く染めた。



 

 机の上で何度も貪り尽くしたあと、ジェシカを寝室に抱き上げて運び、ベッドに降ろす。

 いい加減、媚薬の効果が尽きぬものかとグレンは少しいらついた。全然眠くならない。疲労は若干感じるのに。

 グレンはカーテンをしめ、明かりを灯す。

 自分はまだまだいけるが、つきあわされるジェシカが持たないだろう。

 その時ふと、鏡台の隅に見覚えのある小瓶が目に入った。あれは…。

 グレンは小瓶を手に取る。

 裏を見ると異国の文字で効能書きがあった。ジェシカはこの文字を知らなかっただろうが、グレンには難なく読めた。

 どうやら女性向けに特化されたもののようだ。


「これってバナナとすもものアレだよね?」


 ジェシカに向かってそうつぶやいて小瓶を振る。ジェシカは真っ赤になり、口をパクパクさせ絶句している。

 中身はまだ半分以上残っていた。と言うことはほんの少しだけでジェシカには効果てきめんだったわけだ。

 グレンは、小瓶のフタを開けてグイっとあおり口に含んだ。


「うそでしょ!?やめてくださいぃ!!!」


 ジェシカは絶叫した。

 だが、これは自分が飲むのではなく…。

 慌ててベッドから身を起こしたジェシカの口を塞ぐ。

 グレンの口で。

 そして甘い液体を流し込む。更に口の中に残る媚薬を唾液まじりで押し込む。

 ジェシカはゴクンとそれを飲み込んでしまう。よし!


「な、な、な……!」


 ジェシカが驚愕に目を見開き口をパクパクさせている。


「僕だけがこれじゃ、君には酷だろ?」


 我ながら、ひどいことをしている自覚はある。

 だが、僕だけがこんな獣になっているのは、不公平だと思ったんだ。

 君にも、同じくらい僕を求めて欲しかった



「ああ……やって、くれましたね……」

 

 ジェシカはよろよろとベッドに倒れ込む。


「うん、これで対等」


 満足気に頷くグレンに一瞬鋭い視線が向けられたものの、すぐにとろんとした目つきになる。

 即効性も素晴らしい。


「素面じゃないほうが盛り上がると思って」


 グレンはそう言うと小瓶を手に傾け、とろりとした液体を少量手のひらに取る。

 ジェシカは叫び声をあげ身体を戦慄かせた。


「直接塗るとより効果的。なるほど」


 ぜーはー悶えるジェシカを見下ろし、グレンは小瓶の効能を読み上げる。


「読めるんですか!?ううぅっ…!はぁ、はぁ…!」


「その熱を鎮める方法はひとつだよ」


 グレンは甘く囁く。


「さぁ、どうして欲しい?」


「鎮めて…下さい。早く……!ううぅ」


 ジェシカは身悶えしながら求めてきた。

 グレンの胸にとすっと何かが刺さるのを感じた。


「ああ、抵抗されるのも可愛いけど、求められるってもっと…すごくいいね」


 恍惚としながらグレンはジェシカに覆いかぶさる。愉しくてたまらない。


「さっき、僕が離れてって言った気持ちがわかる?辛いだろう?」


 ジェシカがブンブン首を縦に振る。激しく同意のようだ。


「焦らさないで…もう、変になりそう…」


 ジェシカは苦しそうに、潤んだ目で訴える。


「可愛いよ、ジェシカ」


 グレンは心底満足げにご期待通り胸の先端を口に含む。

 媚薬が残るその口で。

 途端ジェシカは跳ね上がる。


「ひ、ひど…いっ」


 ジェシカの身体全体が真っ赤になっている。


「はや…く、して…」


 ジェシカは自分から手を伸ばしてグレンを引き寄せ、腰を押し付ける。


「ふふ、凄いな、媚薬…」


 これほど積極的に求められるなんて!


「ん…、もう、早くしてって言ってるのに…意地悪…」


 ジェシカは二人きりの時も消して抜けない敬語まで抜け、上目遣いで口を尖らせる。

 とすとすとすっ。

 その仕草にグレンの胸をまた何かが射抜く。

 グレンの気持ちは限界まで高まった。


「君は…ほんとに困った人だね…無自覚に僕を煽り立てて」


 グレンは身体をジェシカに深く沈める。

 ジェシカから甲高い声があがる。


「可愛いよジェシカ。愛してる…」


 耳元でグレンは甘く囁く。


「す…き…好き、大好き…王子、もっと、もっと…っ」


 ジェシカがグレンの背に回した手がぎゅっとグレンを引き寄せる。

 数えるほどしか聞いたことのない言葉はさらに火に油を加えた。

 ジェシカも積極的にグレンの身体中に愛撫を返す。

 使った本人ならわかる。媚薬とは本能がむき出しになり解放されるものだ。

 それはそれは、熱い夜だった。



 それぞれに媚薬が切れかけた明け方、共に真っ赤になり無言で見つめあった。

 すごかった。ものすごく気持ちよかった。素面じゃ、確かに無理だった。

 二人ともにそう思いながら、激しく気まずかった。

 ベッドから起き上がり、隣の部屋にある服を取りに行ったグレンは、脱ぎ散らかした服を拾いながら、机や床に点々と残る痕跡をため息をつきながら拭き上げた。

 やって…しまった…。記憶も感情も生々しく覚えている。だが理性が戻ってくると後悔と背徳感の洪水だった。


「君、今日は休暇にしとくから…」


 隣の部屋から脱ぎ散らかした服を持ってきて、着替えながらグレンが言った。

 ジェシカは身動きも取れないほど辛いようだ。

 ジェシカの服も畳んでチェストの上に置く。動けない彼女のためのマナーだろう。

 こんなになるまで抱きつぶしてしまった…。グレンは深く深く反省する。


「………はい」


 ジェシカからは力なく肯定の返事のみ。完全同意なんだろう…。 

 全身ベトベトであろうジェシカの身体も、濡れタオルで拭く。浴室で洗ってあげたいぐらいだが、夜明け前に執務室に行きってあちらも片付けないと色々まずい。

 裸のままジェシカをベッドに残すのも忍びなく…夜着がどこにあるか聞き、チェストから出して渡した。

 やらかしてしまった…。いや、最高だったが。

 

「その……ものすごく良かった、よ」


 グレンがもごもご言う。


「……………………………………私、も」


 ジェシカが小声で返す。

 それなら罪悪感も薄れる。



【修正案】

「でも…媚薬は激しすぎます…私、おかしくなっちゃいます…」


 身体が…と言うことなのだろうが…。


「理性のタガが外れた君は、最高に愛おしかったよ」


 自制が弾けたジェシカは破壊力抜群だった。


「媚薬、持っていくね。今度は僕の部屋で」


 その言葉を後に寝室のドアを閉める。

 こんなもの残して、うっかり他の男に襲われたら大変だ。酒は強いのに媚薬には弱いらしい。 

 でも、自分の前なら…。

 なんなら買い足しにキャラバンに連絡を取ってもいい。


「はぁ!?」


 部屋を出た後ろからはジェシカの呆れた声が聞こえてきた。



 外交の使者の送り出しはふだん無表情な王子がひんやりした笑みを浮かべ


「今回の件に関するお礼はよくよく検討するよ。期待してくれ」

 

と発言した。

 使者は平謝りで、二度としないと言って、残った媚薬を差し出した。


「そうだね。僕、色仕掛けは嫌いだから」


 半眼で使者の耳元でそっと呟く。

 使者は真っ青になって帰って行った。

 いやいや、いろんな意味で感謝しているのは本当なのだが。

 さすがにグレンも寝不足で、雑務を簡単に片付け、アンソニーに後を任せて退出した。


 結局ジェシカが出仕してきたのは2日後だった。



いやぁ、グレンほんとに戦争の事で悩んでる?ってぐらいエロに振り切ってしまいましたね(笑)


こんかいほんとケダモノですね。普段抑えてる色々がここで爆発してる感じです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ