媚薬に酔う3-A 熱い、熱い夜 ジェシカSide
性的描写があります
苦手な方はご注意ください
媚薬シリーズ第3弾 前回の続きです
理性を飛ばしてお楽しみください
グレンとジェシカは服を整えるとジェシカの部屋に向かった。
自分から言っておいてなんだが、今から自分の部屋で王子とあれこれ致すと思うと、今更ながらに恥ずかしい。しかも自分から呼び込んて……、とジェシカは少し後悔しだした。
先ほどの猛々しい行為は甘さのかけらもなく、痛みすら伴った。正直怖かった。
それでも最後の方は激しい動きで気持ちが異様に高揚したが。
いつもはあれでも加減されていたと言う事だろう。
王子が言っていた、加減できる余裕が無いの意味をまざまざと実感した。
先ほど、随分楽になったと言っていたので、今度は加減してもらえるだろうか?
色々考えているうちにジェシカの部屋に到着する。
部屋に入り鍵を閉めるると明かりをつける前にグレンは後ろから抱きしめてきた。
まだカーテンも閉めていないのに。
それにここは寝室じゃない。
「ま、待って!せめて着替えくらいさせてください!カーテンも!!これじゃ外から丸見え…」
「明かりをつけなければわからないよ」
「せめて寝室に…」
「さっきの、続きだろう?」
さっきのとはまさか王子の執務室の………!
グレンは上着を脱ぎシャツのボタンをくつろげた。
先ほどのようにジェスの下衣も落とし靴を両方脱がせる。
「あれだけじゃ、満足できなかったんだよね?」
そう言ってうなじに吐息を吹きかけられ、ジェスは身震いした。
気がつくとシャツのボタンも外され、シャツを羽織っているだけの格好になっていた。手際が良すぎる!!
「どう、満足できなかったの?」
グレンはまた壁にジェシカを押しつける。今度は後ろから!
「すぐ終わっちゃったから?いきなりだったから?」
答えにくい事を次々聞かれジェスはぷるぷる震えた。
壁に上半身を押し付け刺激に耐える。
「そう…かも……っ」
答えにくいがそのとおりだ。
いつも、何度もくり返される行為に、いつの間にか、刷り込まれてしまったように次があるものと身構えて、期待している。
一度で終わった事など無いから。
顔だけ後ろを振り返ると、薄暗い部屋の中でもはっきりわかるようにグレンは目を爛々と輝かせ口角をあげていた。
媚薬の効果が見て取れるほど興奮しているのがわかる。
グレンは深い息を吐くと、ジェシカを抱えたまま窓際の机にジェシカを腰掛けさせる。
シャツ一枚はおり、ボタンは全開でこの場所にいたことなどなく、ジェシカは唖然とする。
「色々試させてもらわないと…ね」
「嘘でしょう!?こんなとこでする人、いません!!」
ジェシカは俄然抗議する。
「いや、みんなもっとすごいみたいだよ。軍部でサボってたやつの本を取り上げたらすごいのなんの。でもジェシカには無理そうなのばっかりだったなぁ」
みんな隠れて軍部でそんなものを見てたのか!?
というか、王子にそんなものを見せるなんて!!
「無理です!無理無理無理!」
「だから、一番できそうなやつを、ね」
「これで!?」
ドン引きするジェシカだったがグレンは構わず腹部に唇をよせる。
「ふ、うぅ……一体何が良くてこんなところでっ」
「うーん、ジェシカのその反応??」
「はい?」
謎の返しにジェシカの頬がピクピク引きつる。なのに。
「その顔も…いいね」
王子の目に一体自分はどう映ってるんだろう?
正直自分に欲情する奇特な人物がいるなんて思いもしなかったが。いや、普通にベッドでは物足りないということなのか?
毎回あれだけ身体を捧げても、まだ。
「ベッドでは満足できなかったんてすか……」
ジェシカはため息をつき俯く。
「そうじゃなくて………」
グレンはジェシカの顎を捕らえくいっと持ち上げる。
「ほんとは、どんなところでも君を抱きたくてたまらないって事」
目を細め口角を上げながらグレンは囁いた。
やはり媚薬は恐ろしい。破壊力抜群でケダモノ発言にもかかわらず、妙な説得力を持たせて胸の奥にストンと落ちてきた。ジェシカは身体が熱を帯びてくるのを感じた。
不埒な発言に悦びを感じる自分も恐ろしい。
「愛してる。ジェシカ」
とどめの言葉と共に唇を塞がれる。呼吸も奪う勢いで吸い付いてくる。思考が真っ白に塗りつぶされ、抵抗する気力もそぎ落とされる。
「私、も……」
愛してる。自覚はしているが言葉にするのはどうしても恥ずかしくて、同意しかできないが。
物静かな王子が自分にだけ次々と見せる姿すらも恥ずかしいだけで、何をしても結局許してしまう。
王子はジェシカを強く抱きしめる。
「嬉しいよ…」
今度はふわっと柔らかく微笑む王子にジェシカは完全克服だった。
机の上で何度も貪られジェシカの気が遠くなりかけた頃、ようやく寝室に運ばれる。柔らかいシーツの感触がもはや懐かしくすら感じた。
グレンはカーテンをしめ、明かりを灯す。
まだ寝るつもりは無いのか…。
媚薬はほんとに恐ろしい。王子の体力は留まる事を知らない。
外交の使者が心底恨めしいが、もはや明日出仕して抗議するのも無理かもしれない……。
何となく捨てそびれていたが、自分が持っている媚薬の残りも早々に処分せねば、と、鏡台の方を見やると、なんと王子がその媚薬の小瓶を手にしている。
「これってバナナとすもものアレだよね?」
グレンも覚えていたようで、そうつぶやいて小瓶を振っている。
ジェシカの黒歴史を端的に表現され、口をパクパクさせるしかない。
中身はまだ半分以上残っている。以前少し飲んだだけで、効果的面だった。
グレンは、小瓶のフタを開けてグイっとあおった。
「うそでしょ!?やめてくださいぃ!!!」
ジェシカは絶叫した。
これ以上の事態など、想像もしたくない。
慌ててベッドから身を起こして、止めようとしたところで、口を塞がれる。
グレンの口で。
そして甘い液体が押し込まれる。
顔を仰向けにしていたため、それが何かを認識する前に飲み込んでしまう。
「な、な、な……!」
想定外の事態に二の句が継げない。
「僕だけがこれじゃ、君には酷だろ?」
いや、これ以上の黒歴史は勘…弁……。
と、思っている端からフワフワとして身体が熱くなってくる。
即効性が高い。
「ああ……やって、くれましたね……」
ジェシカはよろよろとベッドに倒れ込む。媚薬の熱がじわじわと身体に広がる。
「うん、これで対等」
どこがっ!
だが突っ込みたい気持ちも甘い綿菓子のように溶けていく。
「素面じゃないほうが盛り上がると思って」
グレンはそう言うと小瓶を手に傾け、とろりとした液体を少量手のひらに取る。
「や、あああ!」
尋常ではない焦燥感と熱が身体を突き抜ける。
疼く身体がブルブル震える。
「直接塗るとより効果的。なるほど」
ぜーはー悶えるジェシカを見下ろし、グレンは、異国の文字で理解できなかった小瓶の効能を読み上げる。
「読めるんですか!?ううぅっ…!はぁ、はぁ…!」
「その熱を鎮める方法はひとつだよ」
グレンは甘く囁く。
「さぁ、どうして欲しい?」
頭がぼうっとして理性が働かない。
「鎮めて…下さい。早く……!ううぅ」
熱い。熱くてたまらない。早く満たして欲しい……!
「ああ、抵抗されるのも可愛いけど、求められるってもっと…すごくいいね」
恍惚としながらグレンはジェシカに覆いかぶさる。ケダモノ具合が半端ない。
「さっき、僕が離れてって言った気持ちがわかる?辛いだろう?」
わかる…わかりすぎる…!!だから早く!ブンブン頷き同意する
「焦らさないで…もう、変になりそう…」
ジェシカはどんどん高まる焦燥感と熱に苛まれ、潤んだ目で訴える。
「可愛いよ、ジェシカ」
グレンは満足げに胸の先端を口に含む。
媚薬が残るその口で。
「ひっ、ああぁ!」
今度は胸の先端にも熱が広がる。
そしてもう片方の胸にも…!
「ひ、ひど…いっ」
つい先ほどまで、もう今日は無理と思っていたのに、たまらなく身体中が疼いている。
「はや…く、して…」
ジェシカは自分から手を伸ばしてグレンを引き寄せ、腰を押し付ける
「ふふ、凄いな、媚薬…」
さっきより、より激しく感じ、高い声があがる。
それでも、まだ、満たされない。
ジェシカはグレンの顔を引き寄せ、自分から口づけをして舌を絡める。
グレンはそれを受け、より激しく応える。
それが、素直に嬉しくなってきた。
もはや完全に媚薬に浮かされたジェシカはつげる
「ん…、もう、早くしてって言ってるのに…意地悪…」
ジェシカは二人きりの時も消して抜けない敬語まで抜け、上目遣いで口を尖らせる。
グレンに火をつけたのは言うまでもない。
「君は…ほんとに困った人だね…無自覚に僕を煽り立てて」
グレンは身体をジェシカに深く沈める。
「可愛いよジェシカ。愛してる…」
耳元でグレンが甘く囁く。
「す…き…好き、大好き…王子、もっと、もっと…あ、ああぁっ」
ジェシカがグレンの背に回した手がぎゅっとグレンを引き寄せる。
数えるほどしかいったことのない言葉はさらに火に油を加えた。
ジェシカも積極的にグレンの身体中に愛撫を返す。
使った本人ならわかる。媚薬とは本能がむき出しになり解放されるものだ。
それはそれは、熱い夜だった。
それぞれに媚薬が切れかけた明け方、共に真っ赤になり無言で見つめあった。
すごかった。ものすごく気持ちよかった。素面じゃ、確かに無理だった。
二人ともにそう思いながら、激しく気まずかった。
「君、今日は休暇にしとくから…」
隣の部屋から脱ぎ散らかした服を持ってきて着替えながらグレンが言った。
ジェシカの服も畳んでチェストの上に置いてくれる。ほんとに、まめまめしい。
「………はい」
言われなくても動けない。そうするしかない。起き上がれるグレンが羨ましい。
そして身体中ベトベトになったジェシカの身体を濡れタオルでキレイにしてくれる。加えて夜着までチェストから出してくれた。
まめまめしすぎる。どこの従者だ。
「その……ものすごく良かった、よ」
グレンがもごもご言う。
「……………………………………私、も」
ジェシカが小声で返す。
「でも…媚薬は激しすぎます…私、壊れます…」
ジェシカは慌てて取り繕うように付け足す。事実、激し過ぎて後が辛い。
「壊れた君、最高だったよ」
なのにしれっと、別の意味で言い返すグレンが小憎たらしい。
「媚薬、持っていくね。今度は僕の部屋で」
「はぁ!?」
グレンはそう言い残して寝室から出ていった。
ジェシカは何度目か分からないため息をつき、枕に突っ伏すと、数秒後には寝息を立てていた。
外交の使者の送り出しはふだん無表情な王子が満面の笑みで
「このたびの件に関するお礼はよくよく検討するよ。期待してくれ」
と発言した事で、使者は真っ青になって帰って行ったらしい、と、ジェシカが耳にしたのは、2日寝込んでようやく復帰した日の事だった。
今度は2人して媚薬に浮かされています。
完全燃焼でしたね!
次はグレンのケダモノ視点です(笑)




