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幕間 真実の夢

性的表現が苦手な方はご注意下さい。

 夜伽に呼ばれる時は、いつも考える。

 今日は優しく抱いてもらえるのか。

 それとも苦痛に苛まれるのか。


 優しい時は、限りなく幸せだ。

 その幸せのために、この苦痛に耐えなければならない。


 リーザは今日も期待と不安に苛まれながら王の私室へと向かった。


「お前がつまらぬから、抱く気がおきぬ」


 そう言われ、呼ばれるたびに酷い虐待を受けた。

 1年もすると、子ができない事を周りから責められた。抱かれもしないのに。でもそんな事、言えない。

 それでもそのせいか、リーザはようやく優しく抱いてもらう事ができた。

 今までの仕打ちからは想像もできない優しさで。

 気遣うようにさ迷う手は、けれど力強く切ないほどの快感に導いてくれる。

 一つとなったとき、その存在感に圧倒されながら、その熱に溶かされて満たされていく。


 これは夢。

 真実を口にした瞬間に弾けて消える幻。


 だからリーザは今日も、優しい嘘に微睡み、気づかないふりをして微笑む。

 だって、リーザの真実は夢、そのものだから。

 だからリーザは日々の痛みに耐える。

 ほんの一瞬訪れる優しさに再び出会うために。


 愛してる。

 心の底からあなたを。

 少しでも長くここにいたい。

 このまま優しいあなたにだけ、抱かれていたい。

 

 本当は何もかもわかっていながら、リーザは今日も微笑む。


ほんとは第二王妃1と2の間に入るモノローグですね

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