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05話 今日から一応冒険者

ブックマークありがたや!!

今後もよろしく願いします!

 さて、どうするか。

 今、目の前には復活させた魔石が二つ転がっている。

 コボルトとヴァイパーの魔石。よく考えたら、ここで復活させたら大変だよな・・・。

 やっぱ自分に使うか。

 ふと、ブラウの方を見る、部屋の隅で欠伸してのんびりとしている。

(なあブラウ、実験していいか?)

(え? いきなり何ちゅう恐ろしい事言ってんすか旦那!?)

(安心しろよ、お前にとっても良い事だからさ)

(旦那には逆らえないんだし、どうとでもしちゃって下さいっす)


 よし、俺は投げやりになったブラウに、ヴァイパーの魔石を使う。

(うおっ何すかこれ? なんだか力が湧いてきやす!)

(どうだ?)

(旦那!? これヤバいっす! あっしスキルなんて初めてっす!)


 俺の読み通り、成功したな。やっぱりブラウにも使えた。

 お恐らく、俺のマナと繋がっているから。

 これなら、俺も、従魔のブラウも。各段に早く成長できるな。

 昼間に俺が手に入れたのは、ボアのマナだけじゃない。

 ボアのスキル『突進』が俺の中に生えていた。

 『魔石復活』様々である。

(ブラウは、どんなスキルだったんだ?)

(あっしは『毒生成』と『毒耐性』っす)

(毒は想像通りだけど、使ったらどうなる?)

(ちょいとお待ちを・・・これ牙に毒が付くみたいっす、うぇ・・まずっす)

(そ、そっか。飲み込んでも平気なら、大丈夫だよな)


 俺も使うか。コボルトの魔石を握ると、俺の身体にマナが吸い込まれる。

 身体が例の如く、ジワリと熱くなる。

 今回は、スキルは無いようだ。ふむ、コボルトはスキルを持っていないのか?

 いや、個体で違うんだろう。そうだ、

(ブラウ、魔物って同じ種族でも、スキルを持ってる奴と持っていない奴がいるのか?)

(あっしらみたいな下級魔物は、ほとんど持って無いですぜ。

 たまーに、長生きした奴が獲得したりするっす。固有スキルは別っすけど、

 あとは魔物を食ったり、進化を果たした猛者っすね)

(成程ね。ボアやヴァイパーのスキルは、必ず持ってるスキルって事か、

 俺にも漫画見たいに、ステータスを見る力があれば捗るんだけどなぁ)

(あっしも旦那といれば、進化出来るかもしれないっす)

(ちゃんと働いて貰うからな)

(勿論っす!)


 今日は、この辺にして寝よう。一日、森で戦闘をしていたから、流石に眠くなってきた。

 明日は、冒険者ギルドに行かなきゃな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 おお! ボア肉だ! 今日の朝食は、ボア肉に醤油ベースのソースが掛かってる。

 後、スクランブルエッグと、いつものパンのメニューだ。

 自分で獲ってきた肉だと思うと、旨さが格別だなー。

 朝から米が欲しくなるんだけど、無い物はしょうがない。

 でも、醤油があったのはビビったな。

 最初は気づかず食べてて、しばらく経ってから気付いた。

 製法というか、この醤油は樹液らしいけど・・・。

 


「ウワッ!! なんだソイツ! 魔狼(ウルフ)が何でウチに居るんだ!?」


 そうだった。次男君は知らないんだった。

 ダリオとブラウを連れて、冒険者ギルドに行こうとした所で、捕まってしまった。

 丁度いいから、自慢しておくか。


「フフン、いいだろ? 俺の従魔で、ブラウって言うんだ」

「か、かっけぇな! 俺にくれよ! そいつ!」

「馬鹿、ブラウは主人として認めないよ、な?」

「グアァウ!!」

「どわっ!」


 ブラウの、気の利いた威嚇が強烈だったせいで、リチャードがひっくり返ってしまった。

 流石に、12歳には怖いよな。やりすぎちゃったかな。

 ダリオは、ニヤニヤして口は出さないようだ。

 俺は、リチャードに手を伸ばして、起こしてやる。


「お、お前のスキルって、魔石の補充用だったんじゃないのか!?」

「実はさ、俺の能力は、魔物使役と同じ事が出来るって、分かったんだ。いいだろ?」

「マジかよ。でも、戦闘用じゃないんだよな?」

「基本はそうなる、のか?」

「そうか、そうだよな! 安心しろ。お前がいじめられたら、俺が仕返ししてやるからな。

 なんたって俺のスキルは、『剣豪』だからな!」

 

 コ、コイツ! 次男君、めっちゃいい奴かもしれん。

 正直すぎるのがアレだが、ちゃんと、俺の兄って意識があるんだな。

 そう言えば、俺のタメ語にも怒ったことないし。

 もしかしたら林兄弟よりいい奴なのかも。

 タメ語は直せないけど、認識は見直そう。

 リチャードも今年、学園に入学するみたいだし。


 リチャードと別れて、ようやく冒険者ギルドへと向かう。

 因みに、リチャードには言ってない。

 言ったら俺もなるとか言い出しそうだし、正直めんどくさい。



 ふう、ようやく冒険者ギルドに着いた。

 道中、町の人が、ブラウに反応していたけど、ダリオが付いていたから問題ない。

 中に入ると、長いカウンターがあり、受付が四つあって2人の職員がいる。

 朝だから、冒険者はほとんど居ない。

 冒険者が居ないのは、ここに来る必要がほぼ無いからだ。

 換金は夕方時が多いし、解体場でも換金してくれるからな。


「ようこそ冒険者ギルドへ! ギルバート様じゃないですか?

 本日は、ご依頼でしょうか?」

「いや、今日は俺の冒険者登録に来たんだ。どうすればいいかな?」

「え? は、はい! 登録料は銀貨1枚です。

 では、こちらに名前とクラスを、この欄にお願いします」


 ちょっと驚いていたけど、すぐに平静に戻るギルド職員、出来るな。

 名前はギルバート・マルセロン、と。

 俺の役回りは、何だろうな、やっぱりテイマーが無難だよな。

 俺は、とりあえず誤魔化した役職を書いて渡す。嘘じゃないし。


「はい。では、こちらの水晶で正式に登録しますので、手を出して触れて下さい」


 水晶に手を触れると、淡く青色に光る。


「大丈夫ですね。少々お待ち下さい」


 判定室の魔道具に似てるな、この水晶。

 此処に来る前にダリオに聞いたけど、ギルドの魔道具は、魔法神ラドラムが設計したものらしい。

 魔道具、便利だよな。俺が異世界に順応出来たのも、魔道具の存在がデカい。


「これが、冒険者のタグです。首に掛けてみて下さい」

「お! 軽くていいね。これって何か意味あるのかな?」

「そちらは、身分証明になります。

 それから、町の外で冒険者とすぐ分かるようにですね」

「そっか。ありがとうお姉さん」

「ギルドの説明は、ご入用ですか?」

「それは大丈夫! 家で飽きるくらい聞いてるから、

 じゃ、ありがとう。また来るよ」


 冒険者ギルドを出ようとして、ある人物に気付いた。

 ネビルさんだよな?

 ギルド横に併設されている食堂で、大森林で一緒だったネビルさんが寛いでる。

 人待ちかな?


「ネビルさん、おはようございます」

「お? ギル様じゃないですか? どうも。こんな所でどうしたんです?」

「ジャーン! これ見てよ」

「タグ・・・登録したんですか? 何でまた?」

「ウチは金欠だから、仕方ないのさ」

「いやいや、ギル坊ちゃん。従士として、それは聞き過ごせませんよ。

 確かに、他より土地は狭いかもしれませんが、金欠って程じゃ、ありませんよ」

「ごめんごめん、冗談だって。

 いずれ家を出るから、お金が欲しいだけなんですよ。

 それに、速く強くなりたいしね」

「ははっ、成程。今日はどうするんですか?

 俺達は、集まったら、ダンジョンに行こうと思ってるんですよ。

 もしもギル様が、下級ランクを倒せるのなら、お勧めですよ」

「ダンジョンかぁ・・いいですね」

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