幼馴染と疎遠になった。
「生活が地味すぎる!!!」
俺は伊藤翔也。ただのオタクで高校1年生だ。
俺は、普通の生活を送っている。まぁ、なんも特別な属性なんてないからね!
親や妹も普通。俺も普通。めちゃくちゃ普通。
でも、一つだけ言えること、、いや、「言えたこと」とすれば、、
遡ること数か月前。
「翔也、起きて!!」
「一緒に学校行こ、翔也」
「今日一緒に遊ぼ、翔也。」
俺には、三人の幼馴染がいる。
ほかにも幼馴染はいたけど、この三人は特に仲が良かった。
俺を起こしに来た。黒髪ロングでおっとりした見た目の清楚系美少女は、二月未海。
美少女だ。間違いない。
一緒に登校している、ブロンドカラーの髪にスタイル抜群のギャルは、南有希。
美少女だ。間違いない。
銀髪でハーフならではの外国人よりの整った顔の異国系美少女は、家山ルナ。
美少女だ。間違いない。
全員美少女だ。
いや、どうしてこうなった。
全員美少女で、しかも全員仲がいい。
俺、ただの陰キャだよ??
そのせいで、中学の同級生からは常に強烈な嫉妬の目が向けられていた。
まぁ、そりゃそうだろうな。
美少女幼馴染達がいることが、俺のただ一つだけの特別(?)な属性だ。
ぶっちゃけ、俺は彼女たちのことが好きだ。
友達の域を越して、異性として見てしまう。
でも、このままこの「友達」という関係が壊れないといいなと思っていた。
そして今。
高校生になった今。
無事に「疎遠」になりました。
やっぱ、運だったんだなと思う。
彼女たちは毎日可愛くなっているのに、俺に関しては毎日陰キャ度が増している。
うん、自業自得だな。
だとしても、少し苦しい。
彼女たちと話すことは、楽しかった。
ほかの人から文句を言われても、彼女たちはずっと俺の友達だった。
美少女関係なく、仲が良かったのにいきなり疎遠になってしまうと寂しい。
心に、穴が開いたようだ。
でも、このままだとだめなのはわかってる。
友達が彼女たちだけだった中学の状況のままじゃだめだ。
そう思い俺は、高校生になって無事に友達をつくった。
「翔也氏、おはようございまするw」
常に笑っているこいつは、尾田操。
俺と共通の趣味を持っていたから、仲良くなった。
「今日もみきゅたんに上限を収めといたわ」
このVオタ大富豪は、飯田智司。
親が金持ちではなく、ネットで自分で稼いでいる。だいたい5000万ぐらいらしい。
普通に天才だ。でも、稼いだ額の半分は推しの「みきゅたん」に貢いでいるらしい。
俺は、愉快なオタ友と一緒にこの学校生活を過ごしていた。
もちろん、幼馴染達は俺に話しかけてこない。もともと別クラスだしな。
だがある日、操がこんなことを言ってきた。
「翔也氏、案外イケボだからVtuberになってみたらどうだいww」