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殺し屋と魔法使いのワルツ 魔法使い編  作者: 青山八十三(やとみ)
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『遺跡というのは、そんなに大事な物なのですか?』


『さぁな。俺にはアレの価値も使い方も存在理由も分からないし興味もない。が、先祖代々ずっと昔から大事にして来たモンだからな。俺はそれに倣うだけだ』



それは思考の停止だ。


あんなモノ、何の意味もない。


貴方が命を賭けて守るモノなんかじゃない。


気に入らない。


ただの古い建物のくせに。



『死ぬだと?ふざけるな!そんな事、この俺が許さない!』



気に入らない。


俺の知らない所で勝手な事を。



『あんなもの、壊してしまえば良い!』


『悪夢を見るんだ……何度も何度も俺は大事なものを失う……』



気に入らない。


気に入らない。



俺の思い通りにならないものは全て、気に入らない。



『国も、世界もどうでも良い!利用してやるさ、それが俺の復讐だ!』



俺に逆らうな!


俺の言う事を聞け!



『私が罪人?……それほどまでに憎いのですか?』



違う、違う!


傷つけたいわけじゃない!


俺は守りたいだけなんだ!



なのに、どうして、きいてくれないの?


いっしょにいたい、だけなのに。


わらってほしい、だけなのに。



それができないなら、せめて


生きていて欲しい。


本当はそれだけなんだ。




でも、世界がそれを許さない。



『事故ですよ、遺跡の。生き残った人はいません』



遺跡。


そうだ、アレがいけない。


アレはここにあってはいけないモノだ。




たとえ貴方が守ろうと、


貴方がいくら大事にしようと、


俺にはどうでも良い。


貴方がいない世界なんて認めない。


そんな世界、俺には必要ない。


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