第十七幕 (時系列少し戻る)冥府・閻魔の居城
閻魔の傍らに雪女と鎌鼬が控えている。
閻魔 「定期報告はどうした?」
雪女 「そろそろだと思いますが……」
鎌鼬 「サボってんじゃねえの? ほらあいつ、コウモリっぽいし」
トカゲが登場する。
トカゲ 「コウモリじゃなくて、トカゲです」
閻魔 「遅かったではないか」
トカゲ 「あの人の命令で陰陽師もどきを見張ったり色々仕事してたんですってば」
鎌鼬 「ほら、立派なコウモリだろ」
閻魔 「鎌鼬よ、少し黙れ。話が進まんからお前は現世でも行って人間の2〜3人でも狩ってこい」
鎌鼬 「へいへい」
鎌鼬が面倒そうに捌ける。
閻魔 「雪女。お前もそろそろ傷は癒えただろう。任務に戻れるな?」
雪女 「直ちに」
雪女、捌ける。
閻魔 「さてトカゲ、現世の結界の綻び具合はどうだ?」
トカゲ 「8割終わってますよ。でも、本当に都を手中に収める気ですか?」
閻魔 「当たり前だ。あんなに美しい場所を人間の物にしておくのは惜しい。四神相応の地とは、魑魅魍魎にとっても相応の地と言える。邪魔者がいなければ、の話ではあるが」
トカゲ 「はいはい。朱雀池はもうすぐ枯れますって」
閻魔 「ならば良い」
トカゲ 「まったく、いちいちうるさいな。まるであの人みたいだ。あ、噂をすればまた面倒な命令を……。僕はもう行きますからね」
トカゲが捌ける。
閻魔 「ふふ、ふははは! 楽しみだな、安倍晴明!」