表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/22

第十六幕 晴明の屋敷・一室(深夜)

 晴明と道満が並んで月を見ながら酒を飲んでいる。



道満  「まさか、お前とこうして並んで月見酒をするとは思わなかったな」


晴明  「確かにな。お前は出会った時から私を毛嫌いしていた」


道満  「それはきちんと理由があるんだよ。お前、妖を滅したふりして逃がしていただろ?」


晴明  「逃した、か。厳密には違うが、まあそういう時期もあったとだけ言っておこう」


道満  「俺はそれが許せなかった。妖は忌むべき存在。憎むべき、滅ぼすべき相手だ。俺の母を殺した妖だけは、何をおいても許しちゃならない」


晴明  「そうだったのか……」


道満  「それ以上に、母を守れなかった自分が許せないんだ。中宮と同じで、俺は母に生かされた。(とむら)いのために陰陽師として妖を滅してきたが、母を殺した妖が未だに見つからない。もしかしたら、お前にすでに消されているのかもな」



 道満が勢いよく酒を(あお)る。



晴明  「母とは強いものだな」


道満  「お前にも母親はいるだろ? 噂どおり、狐から生まれたっていうオチじゃなければな」


晴明  「……どうだろうな。記憶にないのだ」


道満  「そうか……」



 晴明、勢いよく酒を煽る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ