魔物使い? サイド(魔物使い? 視点)
湿っぽい洞窟の中、俺様───ケダモは、怒りを抑えられなかった。
「ああああああああああああああああ!!!」
畜生! この俺様が!!! あんな雑魚に! ハイオーガまで使って!!! 挙句の果てに…………!!!
「くっっっっっそがああああああああああ!!!!」
近くに居る雑魚モンスターを蹴りつける。俺様の下僕だから反撃なんかせずに、ドンドンと崩れ落ちる。だが、そんな事をしても気は晴れない。雑魚とは言え、戦力を削ってしまったことに対しても、さらに苛立ちが募る。
「くそくそくそくそ!!! 誰なんだ! あの黒髪黒目の糞野郎! もう、こうなったら最強のモンスターどもで───」
「それはやめなさいよ。ね。分かっているでしょ? う?」
「うるさいぞ! シャルナー! お前だって───」
相変わらず、変な喋り方をする奴だ。お前は黙って───、
「それはやめなさいよ。ね。分かっているでしょ? う?」
「───、っ」
繰り返される同じ言葉。唯一違うのは俺様の首に当てられたナイフ。冷や水を浴びせられた気分になった。この女なら、やりかねない。
取り敢えず、俺様は両手を挙げ、降参のポーズ。すると、奴もナイフを懐に仕舞った。
「だが、どうするんだ? お前の方のハイオーガもダメだったんだろ? ここに俺様達が居ることがバレたら『計画』に支障となるぞ? ならいっそ俺様の最高戦力で───」
「無。理。あなたのは同期に時間がかかりすぎ。る。間に合わない。わ。それに『計画』に支障はな。い。さっき漸く『竜人』を手に入れた。わ」
シャルナーがとんでもない事を口走る。
「本当か!?」
「本当。よ。だから後は決行日を待って隠れ続けるだ。け。あちらも順。調。何も問題はない。わ」
「そうか……それならば、余裕だな。その時は俺様にあの野郎を殺させろ。手出しはするな。苦しませて殺してやる」
それならば、ここにもう用はない。俺様の頬が歪む。来るべき日を早く来いと笑顔で呪う。奴を刻むのが楽しみだ。




