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アヤネという少女について(アヤネ視点)

 ダリルさんに、その少年の事を聞いた時、ボクは驚いたんだ。


 ダリルさんの話では、アンドくんは、ボクと同い年なのに、ボクより何倍もモンスターを狩っているそうだ。それに、Bランク冒険者で、スキルも支援職のものなのに、彼は1人でずっと戦っているって。


 ダリルさんは、


「彼は、総合的な戦力という意味では、君に及ばないかもしれません。しかし、彼の戦意……、いえ、誰よりも強くなりたいという強い意志が、私は、好きなのですよ。まるで、物語の主人公のようです」


 もしかしたら、すぐにSランク冒険者になるかもしれませんね、とダリルさんは言っていた。


 その話を聞いて、ボクは、彼と友達になりたい、と思った。


 ボクには、友達と胸を張って言える人があまりいない。故郷にはいるけど、冒険者になってからはほとんどいない。


 別にコミュ障な訳じゃない。それなりに仲良くなるのは上手いと思う。問題なのは、ボクの肩書き、『Sランク冒険者』だ。取った時は、これが邪魔になるとは思わなかったな。


 冒険者という稼業で、ボクと同年代の人は居ても、Sランク冒険者となるとほとんどいない。同じランクじゃないとパーティを組めない訳じゃないけど、差が大きいと歪なパーティになってしまうし良くない。


 それに、Sランク冒険者になったら、良からぬ事を考えて、近づいてくる人も増えた。ボクと仲良くするふりをして、ボクの情報を売ったり。ボクを嵌めてどこかに売り飛ばそうとしたり。ボクに寄生して報酬だけ取ろうとしたり。


 冒険者じゃなくても友達は作れるけど、やっぱり色んな所に行くから、そんな仲良くなる時間もない。


 色々なパーティやクランからお誘いは来るけど、やっぱり同じくらいの年の人と仲間になりたいなあ。


 話に聞いた、彼ならもしかしたら友達になれるかもしれない。本当にSランク冒険者になったら、いやAランク冒険者になったら、同じパーティに誘おうかな……難しいとは思うけど。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の戦闘スタイルとその描写がかっこいいですね。 読んでいてハラハラさせられます。 設定も非常にシンプルなので読みやすく、これからが楽しみな小説です。 [気になる点] 冒頭の数話に段落…
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