0.0002%の確率でオリハルコンの舌を落とす舌切り雀
むかしむかし、優しいお爺さんと、意地悪なお婆さんの夫婦がおりました。
お爺さんは動物が大好きで、怪我をした動物を保護して野性に帰したりもしておりました。その日も怪我した雀の手当を行い、とても大事にしておりました。
嫉妬深いお婆さんは、自分以外に愛情を注がれるのがたまらなく嫌で、今お爺さんが一番気に入っている雀に対してとても辛く当たりました。
そして、雀がお婆さんがお昼に食べようとしていた満漢全席を食べてしまうと、お婆さんは怒り狂って雀の舌を切ってしまいました。
──コロン
地面に落ちる輝く舌。お婆さんは思わず目を丸くしました。
茫然と佇むお婆さんをよそに、雀は何処かへと飛び去ってしまいました。
それを聞いたお爺さんは、酷く悲しみました。そして舌を切られた雀の痛みを思うと、居ても立ってもいられず、山へと雀を探しに出掛けてしまいました。
そして苦労の末に、雀のお宿を見つけ出しました。
お爺さんは舌を切られた雀を見つけると、涙を流して謝りました。雀はお爺さんが心配してくれた事を嬉しく思い、お土産に二つのつづらを差し出しました。
「大きいつづらと、小さいつづらの、どちらか好きな方をどうぞ」
「いやいや、私は小さいので十分じゃよ……」
お爺さんは小さいつづらを背負い、山を下りて自宅へと帰りました。
そして雀から貰ったつづらを開けました。
──パカッ
中には光り輝くオリハルコンの舌が入っておりました。
「なんじゃこれ……?」
それを聞いたお婆さん、雀のお宿へと駆けだしてゆきました。
「雀! つづらをよこせ!! 満漢全席食ったやろ……!!」
後ろめたい雀は、二つのつづらをお婆さんに差し出しました。
「大きいつづらと、小さいつづら、どちらか一つをどうぞ……」
するとお婆さんは、笑顔で大きなつづらを背負いました。
「じゃ! そういう訳で!!」
お婆さんは大層喜んで山を下りてゆきました。
家に帰ったお婆さんは、手揉みをしながらつづらを眺めました。そして笑顔で中を開けました。
──パカッ
中には光り輝くオリハルコンの舌が入っておりました。
「三つもいらんわい…………」
お婆さんはオリハルコンの舌を重ね、輪ゴムで縛って棚の中へとしまいました。




