エッグラチキーラにホモにされた話
エッグラ&チキーラを知ってるだろうか。
ピザ屋のメニューみたいな名前だけどそうじゃない。昔遊んだドラクエ4のリメイク版に出てきた裏ボスだ。
親が買い与えてくれた数少ないプレステソフトの一本で狂ったように年跨ぎで遊んでた記憶がある。
だがまだ幼かった僕は裏ボスをきっちり倒し切ることができず(倒すごとにターン数制限が厳しくなっていく)、最後まで終わらせないまま飽きてしまった。
このエッグラチキーラという二人組を倒すと彼らの後ろにある戦士の絵画の武装が一つずつ外れてアイテムとしてもらえるという仕様で、最初のうちは高性能のその武具に注目していたのだけれど、倒す回数を重ねるごとに幼い僕の興味は徐々に絵画の戦士そのものへと向いていった。
なぜなら盾、剣に次いで鎧が外れた途端、戦士が不格好なステテコパンツ姿になったからだ。
幼い僕の興味は彼の露出に向いた。こいつはどこまで脱がせられるんだろう。
一回倒した。パンツが脱げて股間が葉っぱで隠された。まだ兜が残ってるのにそっちからかよとツッコミつつ、かなり厳しくなってきた制限ターンをどうにかクリアした。
葉っぱ(世界樹の葉)が取れて、股間を手で隠す無様な姿になった。全身をかっこいい装備で固めていたあの戦士がだ。
まだ兜くれないのかよという気持ちと同時に、心の中にムクムクと謎の感情が湧き上がってくる。
こいつの顔を暴きたい。兜をくれ渋るこの男を、ここまで来たら徹底的に辱めてやりたいという嗜虐心だ。そこで僕は初めての勃起を経験した。
この戦士がかわいい女の子だったり凛々しい女騎士だったら間違いは起こらなかった。美女の服を一枚一枚剥がして健全でどこにでもいるスケベオタクに育っていたはずだ。
なのに男だ。それも筋肉質っぽい(そこまで細かくないドットだけど)男だ。
シチュエーション優先で興奮してしまったことで、僕の性癖録の1ページ目に男を脱がせるという行為が記されてしまった。
それからしばらく挑戦を続けていたけど幼い僕の頭ではそこが限界だった。
ひたすらレベル上げはしたけど装備の耐性を調べたりする賢さはなかったから最後まで男の顔を見られないまま僕のドラクエ4は終わってしまった。
求めた答えにたどりつくこともなく、温泉の脱衣所で筋肉質な男性が服を脱いでいるのを見るたび股間のうずきを感じてしまう性癖だけが僕に残された。
高校のプールでは運動部の同級生たちの裸を見て勃起して、バレないように前かがみになって手で股間を隠した。
それから僕はずっと、勝てなかったホモとして股間を隠すようにぶざまに生き続けている。あの戦士みたいに。