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Act,4

「ハイハイ。わかりました。嫌いじゃないで、良い子だからこれを後で着て下さい」


 そう言ってから差し出すと、


「これ雪の服でしょ? 制服は?」


「在庫が無いの。嫌……でした?」


「何が? ただいい匂いするなぁって思っただけよ」


 いい匂いって……どこのオッサンなの? 思わずツッコミをいれたくなったけれども、ここは抑えて。


 先輩ってマイペースというかなんというか……。


 思わず苦笑してしまった。


 喉から流れ出ていた血液で汚れた首元を拭い、先輩を綺麗にしてあげると気持ち良さそうにしていた。


 全くけしからん胸をしているな……と思った。豊満な胸に圧倒されつつ汚れたところを拭き取ると、きめ細やかな肌に翻弄され、思わず見惚れていた。


「……雪?」


「え? なんですか?」


 またやってしまった。胸をみて手が止まるなんて。男じゃないんだから。


「私の美貌に目が釘付け? ……なーちゃって!」


「そうですって言ったらどうするんですか?」


 半分以上本当だけど、苦笑いの曖昧な微笑みをなんとか浮かべ聞く。


 するとなんだかはにかんだ笑顔を浮かべ照れている様子。その反応が可愛らしくて本心を少々。


「なんて、先輩は綺麗だし可愛いけど、男の人に騙されそうですね」


「私だってキチンとしてます! まったく雪は失礼しちゃうんだから」


「ハイハイ、可愛いですよ。ハイハイ」


 可愛いけど、どっか抜けてる先輩を好きになったんだ。私がフォローしなきゃね。なんて思っていたら。


「雪のバカ……」


「先輩より頭、悪いですよ。どうせ」


「雪の方が頭いいもん! もう知らない!」


 普段はこんな幼児みたいな感じじゃないんだけどなぁ。なんて。私以外が接するときの先輩は大人っぽくて、儚いイメージを抱かせ、フレンドリーに接するけど、高嶺の花のように感じる他校の男子が多いみたい。ちなみに女生徒も例外でなく好意を持って近づいて来る輩がいるみたい。


(散夏は羨ましいな……あの子も問題ありだけど。可愛いとは思う。性格が。先輩には過剰に反応しちゃうみたいだけど。羨ましいな。素直になれない自分がいてどうしようもない。先輩の鈍感!)


 可愛くなりたいと思う今日このごろ。


 最近は私の長くて癖のない髪を耳寄り下のところでゆるーく赤いリボンで結んで見たりして可愛さ

をアピールしてるんだけど。……伝わらない。


 なんだかなぁ。


「雪……そろそろ動けるみたい。着てもいい?」


「あ、はい。どうぞ」


 まったり着ている。着替えを見るのもあれだしって思って、タオルを洗いに行き、ビニールにしまう。先輩のいるベッドに行くと、まぁ、憎たらしい。


「雪ぃ~胸がきついわ~」


「我慢してください。量までの帰りでしょう」


「わかっったわ。はーい」


 ホントけしからん胸だわ。腰も細いけど。私も人並みにはあるはずなのに、この差。


 どうしてくれよう。


 さてこのまま寮に帰るけど、今日はわがまま言わないといいけど。


「雪、抱っこ」


「歩けるでしょう?」


 子供のようにむくれた顔でジタバタしてる。本当に子供なんだから。


「はいはい、運びますから。行きますよ」


「えへへ」


胸でかいらしい。

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