Act.3
廊下を歩けばどこからともなく現れる歓声の嵐。正直うるさい。
「咲雪様〜私を抱きしめてください〜ずるいです! 生徒会長!」
「環奈様、どうなされたのですか? 貧血気味ですか?」
いい加減にして欲しいと思う。放課後だからまだマシだけど……。
下級生の子や同級生、先輩方、本当に熱心だなと。私を慕う声が聞こえるのは何故? と問いたい。
サッサと保健室に入ると先生は居らず、まぁ私でどうにかなるか……とベッドへ先輩を寝かせる。すると、
「雪は相変わらず大人気ね。ふふっ、そんな貴女にお姫様抱っこされるなんて、ラッキーだわ」
「なんですか、藪から棒に……別にいつも先輩の事を抱き上げる事態になるのは……はぁ」
私は思わず声を失う。どう言えば私が救われるの? 私は好きでいていいの? 先輩にとって私は何?
抑えるのが辛い位私を襲う疑問に、頭がパンクしそうになる。それでも手は動かす。自分の持っているカバンからタオルを出し温かいお湯に浸すと、ギュッと絞る。
その際に保健室に常備してある私達の上着なんかを見たのだけれど、在庫が先輩のだけ無く。仕方なくカバンから私のTシャツを出した。
「雪脱げな……ごほっ、痛た……」
「やりますから落ち着いてください。大丈夫ですか?」
冷静を装う私だけど、心の中では心臓がドキドキしてる。
いつもそう。先輩の服を脱がす時は恥ずかしい。ゆっくりとブラウスのボタンを外す。それだけで顔が赤くなりそうだ。
「雪、いつもごめんね。怒ってる?」
怒るよりも悲しい。でも薄っすら笑いながら、
「先輩いい加減にしてくださいよ? 貴女に使ってるマナは本当は戦闘時だけなんですからね」
私達の敵はいつ現れるかわからない。厄的はとても愚かで私達を危機に貶める。
「お小言はやぁよ、はぁ、散夏ちゃんいつになったら振り向いてくれるのかしら」
「懲りないですね。いっそ生き返らせない方が楽……でしょうかね」
散夏は幸せだ。こんな綺麗な人に愛されて。綺麗なだけじゃなくて優しくて、強くて、天才肌だけど実は努力家。何よりも大事な時に必ず頼りにできる。背中を預けて戦うにはとっても心強い。
「ひどぉ〜い。雪ったら私のこと見捨てるの? 涙がでちゃうわ。こんなに頑張って厄敵を倒してるのに! 雪は相変わらず私の事嫌いなのね」
は? 嫌い? 何を言ってるのこの人。『愛してる』の『あ』の字が出そうになったけれども慌てて飲み込んだ。柄じゃないし散夏には叶わない。
「嫌いって言ったらどうします?」
ニコリと笑って言うと、
「好きになってもらうわ」
そう言うと手にキスされる。
鼓動が早くなるのがわかる。だめだ、この人には叶わない。
百合かけてるかな;;
不安になってきた。
久々に小説書いてるからなんだかふわふわ感満載。