⓪夜月姉弟
4月8日、AM8:30 今日は私たちの特別な日、、、、。
というのに、
「おにーちゃーん、はーやーてー、おーきーてーーーーーーーーー。」
馬鹿兄弟を起こすという今日もいつもと変わらない日常を私は送っている。
「うーん。真琴もう少し、あと10分でいいから。」
「おねーさん、僕まだ眠いよ。」
夜月家の日常の始まりは、まず私が一番最初に起き、そこからこの馬鹿兄と馬鹿弟を起こす。
だけど、この怠惰で大馬鹿で頼りなくだらしない二人は毎度のように私のおはようコールで起きようとせずに、1分でも長く寝ようする。
そこで私のとる行動は、
「おいコラ二人とも高校の入学式の朝から嫌な気分にさせないでよ。私に何の恨みがあるっていうの?、、、、、、」
という風に最近は泣きながら怒るというこの二人にに対しては最強の攻撃を繰り出すことにしている。
すると、
「あーもう、うるせーな。わかったから泣くなって。」
「お姉さん落ち着いて。起きるから近所迷惑もほどほどにして。」
と二人はとても簡単に起きてくれる。
そして、お兄ちゃんが起きて最初に言うことは「朝飯できてる?」である。
今日は特別な日だから浮かれていたのかもしれないけれど、面白い解答を期待してこんな質問をしてみた。
「ノーと言ったら?」
そして返ってきた台詞は、
「お兄ちゃんは一生分の涙を今涙腺から無理やりにでも出す。」
面白い解答を期待した私が馬鹿だった。
むしろ、気分が悪くなった。
朝食を済ませてから、久々に三人で登校することにした。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。」
「何だ?余命宣告と、テストの点数と、俺に彼女がいるかっていう話以外なら聞いてやらんでもないぞ。」
この馬鹿兄と本心で語りながら私は気になったことを聞いてみた。
「高校ってどんなところ?」
と聞くとお兄ちゃんは少しだらしない声で「高校は面白いという概念が無くなり、先公という名の監視官に半日くらい監禁部屋で束縛され続けるという行為を孤独を感じながら味わう自由とは無縁の場所だから今日から投獄されるお前たちはこれから地獄を見るだろうな。ザマーネーナふははははははははは!」
といういかにも私はボッチです的アピールをした言い方で答えてくれた。
「お兄さん、お兄さん。」
「何だ?余命宣告と、テストの点数と、俺に彼女がいるかっていう話以外なら聞いてやらんでもないぞ。」
この人はとても哀れだと本心で思いながら僕も気になったことを聞いてみた。
「高校って何をするところ?」
と聞くとお兄さんはさっきよりだらしない声で
「高校はさっき監禁部屋に閉じ込められるっていっただろ。その部屋で授業という名の拷問を受けて、帰宅すれば学校で配布された宿題という名の危険物を扱ってその結果を明日また学校で報告して、、、、、、ってお前ら小学も中学も行ってるから知ってるだろ?流れはほとんど一緒だ。」
といういかにも私は勉強ができませんしできなかったです的主張を含めた言い方で答えてくれた。
AM9:00、やっと私たち、僕たちが今日から通う学校に到着した。
雰囲気は中学校より少し大きくなった校舎以外前の学校とほとんど変わらない。
私は珍しく上目遣いで(仮にも先輩なので)「お兄様、ここが高校なのですか?」
と聞いてみたが、返ってきた答えは
「嫌違う、高校という名の名前は表面だ。実際は、特別監禁し」
「うん、お兄さんの意見は聞いてないから安心して。僕たちが知りたかったのはここが高校かどうかってことがわかればいいから。」と珍しく疾風は仮にも先輩であるはずの兄に毒舌で私が思っていることをそのまま言ってくれた。
疾風の変わり様にお兄ちゃんはすごく落ち込んでいた。
そのやりとりから約30分ぐらい経ってようやく入学式が行われるというのに在校生の席いるお兄ちゃんはまだ落ち込んでいた。
まったくもって見っともない兄をもったと僕たちは公衆の場で恥をかいた。
「新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。」
と、生徒会長さんの挨拶が始まり、やっと入学式っぽくなったというのにお兄さんはまださっきのことで拗ねていた。
本当に色々と小さくて変に繊細ではっきり言って面倒な兄である。
こんな愚かで哀れでどうしようもない兄ですが、どうか神様嫌だとは思いますが兄に友人の一人でも恵んでくださいませ。
できれば彼女も、と僕は心の底から兄さんが可愛そうに思えてきたのでおそらく既に見放されている神様に無駄な足掻きかもしれないが神頼みをした。
入学式が終わって次はクラス分けで他の新入生たちは楽しみにしているというのに、この変に落ち込んでいる先輩のせいで私たちはテンションが上がらない。
さっきから疾風と私で謝ってはいるもののお兄ちゃんは復活する気配すら見せない。
そんなカビのように暗いお兄ちゃんにクラス分けの資料が張り出されている場所を聞いて疾風と向かうと既にそこには大勢の新入生による人混みができていた。
そんな人混みを無視して何とか資料の目の前まで来てみると、疾風と、姉さんと、一緒のクラスだった。
僕たちのクラスは1獄-7番だった。
中学校は3獄で卒業だったけど高校はどうやら6獄までありクラスも1獄生のクラスだけでも11番までと中学校とは比べものにならないくらい多い。
クラス内の人数は、1番30人ほどで生徒の数でも中学校より遥かに多かった。