ある小説家とファンの交流
前略 初めてお便りお送り差し上げます。
私は名を真田美貴と申します。
人生40数年生きて、この様なファンレターと申します類のお手紙を差し上げるのは、秋河先生が初でございます。
初めての事ゆえに、失礼等ございました場合は、平にご容赦くださいませ。
先生の作品、全て読ませて頂いております。
いきなりこう申しますのも恐縮でございますが、私は物事に飽き易い性質を持ち、しかしその中でも妙に物事へ強い拘りを示す事がございます。
その矛盾した部分をもつ故、同じ作家様の作品でございましても、その拘りでございます琴線に触れなければ、その作品を読む事がございません。
しかしながら、先生の事作品は全て拝読している、この状況を己なりに分析し、私はある推察に辿り着きました。
先生の作品に登場される登場人物には強く興味を持っているのだと。
そしてその理由は、様々な登場人物の持つ闇なのだと。
いわば、その闇は彼らが、得た傷からの原因であり、私はその傷に己を重ねておるのです。
...頭のおかしなやつーー
ーー
最初に彼女から手紙をもらった時は、そう思った。
僕は創作作家を職業にしている。
作家業を始めて10年近く経過する。
慎ましく生活していけば、そこそこ生活していsけるレベル迄稼げる状態だ。
僕の様に十数冊近く本を出していると、稀に変わったファンレターを貰う事がある。
純粋にエールを頂いたものから、ヘタクソ、キチガイ等の罵詈雑言などのあるあるといったケースはもfちろん、ストーカーまがいのレターを頂戴することもある。
そう、例えば、、僕の書いた小説について僕以上に真髄迄理解しており、その事について僕に知らしめる為にレターを送る。
…まあ、マウンティングだ。
何故そんな事をしてくるかは理解に苦しむところだが。。
...謙遜ではなく、純粋に僕は、僕自身を決して作家としては大した位置にあると思っていない。
名前を言ったところで、ああ、そんな名前の作家、いたかな…いた気もする…と言った扱いのレベルだ。
そして、僕自身、そんな己の立ち位置は決して嫌ではない。
頭のおかしなヤツ…
だが、僕は彼女からのレターの文字一句一句を目に焼き付けるようにながめる。




