EPISODE 3 - 52 √アキト
敵拠点の大爆発にアキトが
巻き込まれる所まで時間が遡る………。
「危うく死ぬかと思ったぜ………」
爆発の直前、隔壁の切断が無理だと
判断した俺は、クイックブースターを使い、
八汰烏を瞬間的に最大加速させると、
隔壁の切断が完了している箇所に向けて体当たりをした。
その結果、隔壁を突破することに成功した俺は
次に、少しでも八汰烏を爆発のダメージから守る為、
部屋の外に出ると同時、無事な方の隔壁の裏に隠れると、
直ぐに陽電子リフレクターを最大出力で展開して爆発に備えた。
その直後に、爆弾のカウントダウンが終わり
施設を巻き込む大爆発が起こった訳だ………。
盾代わりに使っていた、『隔壁の扉』を投げ捨てつつ
改めて、周りを観察してみたが………。
「酷いありさまだな………」
更地とまでは言わないが、
俺が最後に居た部屋は
中にあった機材ごと完全に消失していた。
まぁ、今は機体の状態を確認するのが先決だな。
「八汰烏!ステータスチェック!!」
【了解。ステータスを表記します】
「機体の装甲ダメージ20%。
メインブースター………。正常。
サブ・ブースター………。正常。
ジェネレーター………。稼働率100%。
ラジエーター………。冷却能力10%低下。
素粒子圧縮エンジン………。稼働率80%。
陽電子リフレクター………。再展開」
八汰烏のダメージが、
思っていたよりは少なくて安心した。
他に関節周りに異常がないか、
一通り動かしてみたけど、
『動かしにくい』とか『異音がする』等の
物理障害も今の所、無さそうで良かった。
「これなら、直ぐに朱音と合流しても
問題なさそうだな」
爆発前に『得た情報』が確かなら、
一刻も早く、朱音に合流する必要がある。
問題は………。
「どうやって、朱音と合流するかだな」
選択肢としては、
『オーバーブースト』の一択しかないんだが………。
「『オーバーブースト』は、
エネルギーの燃費が悪いからな………」
八汰烏に内蔵されている
ジェネレーターの容量では、
最低でも3回は『オーバーブースト』を使わないと、
施設に向かうのは無理だ………。
かといって、他に代案がある訳ではないしな………。
「いや………。一つだけあるか」
八汰烏に搭載されているシステムの
1つである『リミット解除』を使えば、
問題なく施設まで到達できるはずだ。
「ただ『リミット解除』が、
切れた後が問題だな………」
『リミット解除』とは、普段は30%から40%しか
稼働していない素粒子圧縮エンジンの稼働率を
強制的に100%まで持っていくことが出来が、
副作用として、一定時間が過ぎると
安全装置が働き、素粒子圧縮エンジンが
強制的に停止してしまう。
再び稼働するまでの間は、
新たにエネルギーの生成が出来なくなるので
使い方によっては、諸刃の剣となってしまう。
「ここで、悩んでいてもしょうがない………。
今は『時間優先』で行くか」
そう結論を出すと、
早速、八汰烏の『リミット解除』を使用とした瞬間、
此方に向かって近づいてくる、
未確認の高速飛行物体をレーダーが捕えた。
「新手か?」
作業を中断すると、
システムを『戦闘モード』に移行する。
「アサルトライフル………は、
爆発で無くなったから、
ハンドガンを装備するか」
最初に装備していたアサルトライフが、
先の爆発に巻き込まれたて、
使い物にならなくなった為、
八汰烏に標準装備されている
ハンドガンの『HG-10:フェンリル』を、
ガンホルダーから取り出し装備する。
「さぁ………。来るなら来い!」
戦闘準備を整え、後は『接敵』を
待つばかりとなった段階で、八汰烏に通信が入った。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




