EPISODE 3 - ??? 2
朱音とベフィモスが対峙する所まで時間は遡る………。
施設から離れた所にある丘の上から、
施設の様子を伺う2つの影があった………。
「おいおい………。
この施設の奴らも大したことが無いな!!
『ベフィモス如き』に良いようにされてるじゃねぇか!!」
「まぁそう言うな………。
それに、戦闘は始まったばかりじゃないか。
もう暫く様子を見てから判断したらどうだ?」
施設から離れた場所では現在、
無数の防衛装置が、ベフィモスと戦闘を開始していた。
大型の戦闘機をベフィモスが、
破壊するのと同時位に、
隠れ家に設置していたトラップが
作動したとの知らせが入ってきた。
「ネズミが引っかかったな………」
念の為、隠れ家の監視を
させていた部下に連絡を入れてみるか。
「守備はどうなっている?」
【拠点の爆破を確認………。
侵入者の脱出は未確認の為、
生死は不明ですが、如何なさいますか?】
少し考えてみたが、特に現時点での、
作戦進捗率に不具合は無いので、
帰還の旨を伝える事にした。
「その必要はない。
それに、そろそろベフィモスが
目標地点に到着する予定だ。
お前もこちらに合流してくれ」
【了解。○○○………。
直ちに合流地点に向かいます】
幾つかの問答の後、
部下との通信を終了すると、
再度、戦闘の様子を観測する。
「それにしても、あんたのやる事は、
相変わらず、まどろっこしいな!!
『あんな物』を使わなくても、
俺達が出れば1発じゃねぇかよ!!」
ベフィモスの事を、『あんな物』と言うのは
『こいつ』ぐらいだろう………。
並みの外骨格では、ビクともしないので
脅威度としては、一級品のはずなんだがな………。
まぁ、操縦に難があるのだが、
現在行っている『実験』が終わるころには、
その辺の改良もされているだろ。
その事は、散々言ったはずなんだがな………。
「これも今後の為の貴重な投資なんでな」
「はいはい………。そうですか」
恐らく、観測に飽きたので、
そんな事を言い出したんだろうが………。
こいつも、『こうなる前』は、
優秀な人材だったんだがな………。
同行させていた、もう一人の部下からの
苦言に相槌を打っていると、
施設手前に到着したベフィモスが、
左手に持つハンディーレールガンを構える。
それは、ベフィモスに取っ手の
必勝パターンで、今回も例外なく
その一撃で全てが殲滅されると
思っていたのだが………。
「これは………。驚いたな………」
「はぁ!はぁ!!
ちった、骨のある奴が居るじゃねか!!」
ベフィモスの持つ
ハンディーレールガンがフルチャージされ、
何時でも発射できる段階になった時………。
ベフィモスから見て、
右側にある、監視塔と思われる建物から
1発の銃声が轟いた。
その弾丸は、狙い違わずベフィモスの持つ
ハンディーレールガンに命中。
行き場のなくなった、エネルギーが
膨張して行き、ベフィモスの
手の中で大爆発を起こした。
それと同時に、施設内にある格納庫より
1機の戦闘機が飛び立っていたのが見えた。
方向からして隠れ家の方に
飛んでいった可能性が高いな。
まぁ、そんな事は、今はどうでも良い。
爆発の衝撃で、左腕を失ったベフィモスが
監視塔に向けて攻撃を開始していたが、
その攻撃を察知したのか、監視塔の壁を突き破って、
真紅の色に染まる、外骨格が飛び出してきた。
「恐らくアレが狙撃主で、
間違いないみたいだな」
「もし、あの『赤い』のが、
勝ったらその時は、俺様が相手をするからな!!」
「その時は、お前に任せるとする」
暫く『真紅の機体』と、
ベフィモスの戦闘を観察していると、
帰還を命じていた部下が戻ってきた。
「遅れました。
今は、どのような状況ですか?」
「やっと来たのか!
相変わらず、とろくせー野郎だな!!」
早速、チームメンバーに絡みだしたので
早々に話題を変える事にする。
「1機の外骨格がベフィモスを
圧倒している所だな」
「あの『真紅の機体』ですか?
それは凄いですね………」
○○○も弁えている様で、
『こいつ』に絡まれたにも拘らず、
早々に、俺の話に返答してきた。
その態度に、頭が来たのか
また何か『こいつ』が、騒ごうとした時………。
「丁度、決着がついたようだな」
先程まで、自身に取り付いた
『真紅の機体』を攻撃する為に、
ミサイルを絶え間なく撃ち続けていた
ベフィモスだったが、今は完全に機能が停止した。
ベフィモスの『頸椎』付近に
『真紅の機体』が、取り付いたと言う事は、
間違いなく『緊急停止スイッチ』の
存在を知っていたんだろう。
暫くすると、『真紅の機体』から
操縦者と思われる『赤い髪の少女』が下りてきてた。
「あのような『少女』が、
ベフィモスを止めるとは………。
この目で見ても信じられませんね」
○○○の言いたい事も
分からないではないが………。
戦闘の様子から察するに、
『ただの少女』では無いだろう。
そのまま様子を伺っていると、
ベフィモスに搭乗する為のハッチを開けると、
そのまま中に侵入していった。
『少女』の狙いが何かは知らないが、
ベフィモスを倒せるだけの能力があるなら
今はそれで良い………。
「お前達!戦闘準備をしろ!!
目標!『真紅の機体』だ!!」
「やっとかよ!待ちわびたぜ!!」
「了解しました。直ちに戦闘準備に入ります」
俺が指示を出すと、
各々が返事を返してくる。
さて………。
作戦の最終段階に移るとしようか………。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
ネタバレ?になってしまいますが、
次回からまたアキトルートに戻ります。
仕事を言い訳にしたくないのですが、
投稿が遅くてなってしまい本当にすみませんorz
もっと早く、書けるように心がけて逝きます!
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




