EPISODE 3 - 50 √朱音
遂に終了した………。
「止まったんか………?」
『緊急停止スイッチ』の起動と同時に、
ベフィモスの機能が完全に停止。
既に発射されていたミサイルは、
攻撃目標やったウチを見失ったのか、
まったく関係のない方向に飛んで行ってもうてた。
多分、『赤外線誘導』か『GPS誘導』で、
狙ってたんやろうけど、ベフィモスの機能が停止したから
サミイルの誘導装置も切れてもうたんやろうな。
「どっちにしても、結果オーライやったな」
正直な所、不知火のダメージが
90%手前まで来てたからな………。
これ以上、攻撃を受けてったら
マジでウチは『スクラップ』に、
なってた可能性がある。
有り得たであろう未来を想像して、
体が震えてもうたけど、
深呼吸を繰り返して、体の震えを押さえていく。
「よし!碧依の元に行きますか!!」
エネルギー回復の為、
不知火のシステムを『通常モード』に移行させる。
エネルギーの回復を確認したウチは、
不知火から降りると、護身用のアサルトライフルを
肩から下げて『操作パネル』に近づいていく。
「確かここら辺に、ベフィモスへの
搭乗用ハッチを開閉する為の
手動レバーが、あったはずやってんけどな………」
ベフィモスを最初にスキャンした時に、
得た情報を頼りに、レバーを探す。
暫く、『操作パネル』の付近を探していると
目当ての物を発見することが出来た。
「あった!これやな!!」
手動レバーを引くと、
首の付けに当たる所の装甲が開いた。
どうやら、あそこからベフィモスに乗り込むようやな。
出入り口に近づき、中を覗き込んでみたけど、
操縦席を視認することが出来んかった………。
どんだけ深いねん………。
若干、辟易しながらも
碧依が無事かどうか確かめる為に、
内部に向かって、呼びかけてみる。
「碧依!無事やったら、返事してくれ!!」
内部に向かって、呼びかけて見た物の
碧依からの返事はなかった。
「しゃぁあ、ないな………」
不知火をその場に残すと、
ウチは、備え付けの梯子を使って
ベフィモスの内部に侵入を開始する。
梯子を使って下に降りて行くと
隔壁が現れて来た。
「漸く終点に付いたみたいやな」
隔壁の前に立ったウチは、
扉の横にあった、緊急時用の
開閉用手動バルブを発見………。
「待っとれよ、碧依………」
逸る気持ちを抑えつつ、
暫く手動バルブを回していくと、
ウチが通り抜けられる位に扉が開いた。
扉が開いたのを確認したウチは、
手動バルブを回すのを止めると、
素早く体を滑り込ませて、
操縦室に入っていく。
「大丈夫か!碧依!!」
室内に入ったウチは、
碧依に向けて、声を掛ける。
それやのに、何時まで経っても、
碧依からの返事が返ってこんかった
「頼む!碧依!!
居ったら返事してくれ!!」
狭い室内を見渡してみても、
碧依の姿を見つけることが出来んかった。
呼吸が速くなり
鼓動が早くなるのを感じつつ
碧依に向かって、何度目かの呼びかけを
続けていると、操縦席に備え付けられている
スピーカーから、ウチを呼ぶ声が聞こえて来た。
「お姉………。ちゃん………」
「碧依!居るなら、速く返事しいや!!」
ウチを呼ぶ碧依の声は、
何故か『ノイズ』混じりの『機械音声』やったけど………。
その声は………。
間違いなく、ウチの妹の声やった………。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
予定では、次で一旦、
朱音ルートが終了するはずです。
本当は今日中に終わらせたかったのですが、
不甲斐なくて申し訳ございませんorz
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




