EPISODE 3 - 47 √朱音
事態改善の為に、
碧依から対処法を聞こうとしたけど
どうやら、一歩遅かったようや………。
【不明デバイスの接続解除を確認できませんでした………。
これより、機密情報漏洩阻止の為、
システムを『デストロイ』に移行します………】
「駄目!
ベフィモスが『デストロイ』モードになると、
私じゃもう、制御が出来なくなるの!!
だから、お姉ちゃん!早く逃げて!!」
碧依の慌てぶりから察するに、
大分、やばいみたいやな………。
今までのウチなら対処出来ずに
途方に暮れてたかもしれん………。
やけど、今は『そう』じゃない………。
それに、自分が一番辛い目に遭ってるのに、
『あの時』と一緒で、自分の事よりも、
ウチの事を一番に考えてくれている
碧依を置いて、またウチ一人が
逃げ出すなんてありえへん!!
久しぶりに会った妹の『境遇』を見て
涙が出そうになった………。
それでも………。
何一つ変わらない妹の『優しさ』が、
ウチは誇らしい!
「碧依!!」
「お姉……ちゃ……ん?」
今も尚、ウチを自分から遠ざける為に
必死で訴えかけてくれる妹に向けて、
声高に宣言する!!
「お姉ちゃんに任せろ!!」
「!?」
その瞬間、システムの移行を完了させた
ベフィモスが、通信を強制的に切断していく………。
【システム【デストロイ】モードに移行。
これより、不明デバイスの完全排除を開始します。】
ベフィモスも遂に本気モードっちゅう訳やな!
「望むところや!!」
ここからは、ウチも掛け値なしの
本気モードでいくで!!
「不知火!『Exceed Orbit』を展開!!」
【了解。
『Exceed Orbit:EO-01』を展開します】
その瞬間、背中に装備していた
小型迎撃砲台の『Exceed Orbit』2機が起動すると、
そのまま、不知火の周りを浮遊し始める。
「不知火は、ベフィモスの解析に集中!!
全ての戦闘権をウチに回せ!!」
【了解。
全ての戦闘権を搭乗者に譲渡………。譲渡完了。
これより、ベフィモスの解析に入ります。
作業終了予定時刻は凡そ180秒です………】
180秒………。
「短いようで、長い時間になりそうや」
そうこうしていると、
ベフィモスの方も戦闘準備が
着々と整っていくようで、
気が付けば、ウチの周りにある
ミサイル発射用のハッチが全て展開されていた。
もう、後戻りは出来ん………。
やけど、後悔はない………。
絶対にウチの妹は返して貰うからな!!
「かかって来いやぁぁぁああああああ!!」
ウチの叫び声が戦闘の狼煙となったのか
全てのミサイル発射口から、
一斉にミサイルが上空に発射された。
数十発以上のミサイルが、
ベフィモスから発射されたのを確認したウチは、
何時でも迎撃出来るように、戦闘態勢になる。
せやけど、ベフィモスから
発射されたミサイルは
各々が明後日の方向に
向かって飛んでいってもうた。
「何処に撃っとるんや?」
ミサイルを観察してみると
それぞれが、好き勝手の方向に
向かって飛んで行ってたけど、
大きく旋回を開始………。
ウチの方に向かって飛んで来た。
「まさかな………?」
有り得んと思いたいけど、
そのまさかやったようや………。
弾頭がウチの方に向いた瞬間、
ミサイルの外壁がバラけ始めると
中から小型のミサイルを展開。
ベフィモスごと、ウチに向かって
大量の小型ミサイルが発射してきよった。
「嘘やろ!!」
周囲に展開させた、
『Exceed Orbit』と右手に装備してた
突撃ライフル………。
それと予備のハンドガンを左手に装備して、
ミサイルの迎撃を開始するけど
如何せん数が多い………。
今の所、直撃は避けれてるけど
迎撃出来んかったミサイルが
徐々に、ウチの周りに着弾。
その際に発生したミサイルの
衝撃波が不知火の周りに展開させている
陽電子リフレクターと衝突して、
シールドの出力を徐々に削り始めた。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
もう暫く程、朱音ルートが続きますが
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




