EPISODE 3 - 44 √朱音
その攻撃は、ウチの狙い通り
ベフィモスの『左膝』に命中させる事に成功した。
だけど………。
「弾かれた!!」
時速2450kmで撃ち出された弾丸は、
ベフィモスの『左膝』に命中すると
貫通する事なく、あさっての方向に弾かれてもうた。
「まだ………、居たのか!!」
「あかん!5番機、回避や!!」
攻撃を仕掛けて来た
5番機の居る2番監視塔に向けて、
多弾頭型の垂直ミサイルを発射した
ベフィモスを見た瞬間、5番機に回避指示を出す。
ウチの時と同じで、監視塔の壁を突き破り
5番機が外に出た瞬間、垂直ミサイルから分離した
ミサイルが2番監視塔に向かって降り注いで行きく。
ミサイルの直撃を受けた
2番監視塔は完全に倒壊してもうたけど
5番機は無事に脱出できたみたいやから
今はそれで良しとしよう。
それよりも………。
「まさか、『関節部』まで固いんかよ………」
通常、外骨格の『関節部』は
長時間稼働による『疲労破損』を防ぐ為、
柔軟性の高いパーツが使用される。
当然、柔軟性が高い分、
防御力は低くなるけど、
それでも、戦闘中に『関節部』が
破損するよりは、遥かにマシな
はずやねんけど………。
それでも、ウチの予想に反して
ベフィモスの『関節部』は、音速の約2倍で飛んできた
弾丸すら弾き返す強度を持っていた。
「そもそも、『長時間運用』を
目的にしてないんか?」
それ程の『硬度』を持つなら、
未知の金属でも使われて無い限り
『柔軟性』が無いはずやから、
歩き回らせてるだけで、
関節に負荷が掛りすぎて
その内、『金属疲労』を起こして、
壊れるんとちゃうんか?
何はともあれ
時間が無い………。
ベフィモスを牽引してくれてる
1番機から3番機の4脚型外骨格の
『オーバー・ブースター』の
燃焼がそろそろ終了する時間や。
「やる事は変わらん!
出来る事は、何でもやったる!!」
そう思い直し、
気合を入れ直したウチやったけど、
ベフィモスの『左膝』に、
ある変化が訪れた事に気が付いた。
「ん?あれは………」
不知火に搭載されとる
アイカメラのズーム機能を使い
ベフィモスの『左膝』を観察してみると………。
「装甲に『亀裂』が入っとる!」
直径10cm程の
『ひび割れ』が出来ていた。
「攻撃が命中して直ぐの時には、
無かったはずやけど………」
今までの攻撃の賜物なのか………。
それは、分からんけど
きっと『コイルガン試作2号機』だけでは、
負わせる事の出来なかった『些細』なダメージ………。
「このチャンスは、無駄にせんで!!」
その瞬間、不知火のメインブースターを点火。
ベフィモスに肉薄していく。
「来るな!!」
不知火の接近に気が付いた
ベフィモスも牽制しようと
無意識に左腕のグレネードを
向けようとしたみたいやけど
そうはさせん!!
「1番機から3番機!
『オーバー・ブースター』………。
フルパワーや!!」
ウチの指示を聞いた
4脚型外骨格の1番機から3番機が
残り少ない、エネルギーを全て
『オーバー・ブースター』に回して
ベフィモスの動きを封じる事だけに専念する。
4脚型外骨格達が稼いでくれた
僅かな時間でベフィモスに無事、
肉薄することが出来た。
『亀裂』のある『左膝』まで近づくと
今度は、左手に持っている『突撃ライフルの先端』を
ベフィモスの『左膝』に出来た『亀裂』に向かって、
力一杯叩き付ける。
「おらぁぁぁあああああああああ!!」
僅かな抵抗の後、装甲を突き破り
突撃ライフルは、銃身の約半分を
ベフィモスの体内に埋め込む事が出来た。
「よし!!」
『亀裂』を『広げる』事に成功したウチは、
ベフィモスに突き刺した突撃ライフルを引き抜き
砲身を確認して見ると、先端が完全に
曲がってる事に気が付いた。
「突っ込んだ時の衝撃に砲身が
耐えれんかったみたいやな」
通常使用することが、出来なくなった
ライフルを放り捨てると、
今度は収納ホルダーに収めた
『N2爆薬』に同じく抜き取った『信管』を
素早く取り付けると、
突撃ライフルによって広げた穴に向かって
『N2爆薬』を投げ込んだ。
「全機!アンカー解除!
この場より急速離脱!!」
ベフィモスを牽引していた
4脚型外骨格達に指示を出しつつ
ウチもベフィモスより急速離脱を開始する。
そして………。
ベフィモスの近くにある建物の陰に
飛び込んだと同時にベフィモスに
投げ込んだ『N2爆薬』を起爆。
その瞬間、全てを吹き飛ばす
大爆発が起こった………。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
もう暫く程、朱音ルートが続きますが
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




