EPISODE 3 - 37 √朱音
こうしてジャックさんとの
打ち合わせが終了すると同時に
運命の瞬間がやって来た。
「ベフィモスを確認………。
施設到着まで残り約10kmです」
【愈々ですね………】
まだ、少しだけ距離があったけど
スコープの通常等倍でも、
ベフィモスを確認することが出来た。
「1番から2番の監視塔の
『ステルス装置』を起動開始」
そう宣言すると同時に
監視塔全体が特殊な磁場で覆われた。
これは、ウチらの外骨格に搭載されとる
『陽電子リフレクター』と、
違って防御能力は無いけど、
代わりに『熱』・『光学』・『電子』等の
各センサーを誤認させることが出来る優れものや。
磁場の形成を確認したウチは
続いて、『待機モード』にしといた
『コイルガン試作1号機』と
『2号機』を攻撃モードに移行。
何時でも狙撃出来るように準備を整える。
ウチが迎撃の準備を完了した
タイミングで、ベフィモスが施設まで
残り3000m付近まで接近してきた。
「施設の迎撃システムを起動。
砲撃開始!!」
少しでもウチらに注意が向かないように
予定通り、施設の迎撃システムである
200mm砲弾を発射できる砲台や
100mmの通常弾を発射できる
ガトリング砲の一斉掃射を開始させる。
予想通り、ベフィモスの分厚い装甲に
全弾はじかれてもうてるけど、
今の所、ベフェモスの注意を
ウチらから背けることに成功してるみたいや。
「さぁ………。
次はどう行動するんや?」
ベフィモスの一挙手一投足に
全神経を注いで、次の行動を
注意深く観察する。
固唾を飲んで見守っていると
施設まで後1000m程の位置で制止………。
右手に持っていた
『ハンディーレールガン』の銃口を
施設中央に向けると、
チャージ体制に入った。
「よし!」
どうやら、最初の賭けに
ウチは勝ったようやな。
その事を急いでジャックさんに報告する。
「ジャックさん!
ベフィモスが施設から
1000m程の位置で制止。
攻撃態勢に入りました!!」
【こちら、ジャック!
私の方でも確認出来ました!】
「予定で通り、ベフィモスの
チャージが完了したタイミングで
ウチが攻撃を開始します」
【了解しました!
私も朱音さんの攻撃に
合わせて出撃します!】
ジャックさんと通信を終えたタイミングで
ベフィモスの手に持っている
レールガンがオレンジから青白い色に変化していく。
攻撃の瞬間は、もう直ぐのようやな………。
形成したプラズマに焼かれ
レールガンの砲身が赤く熱せられてくると
ベフィモスの人差し指が
トリガーを引こうとした瞬間………。
「『コイルガン試作1号機』!発射!!」
それよりも早くウチが
コイルガンを発射した。
時速2450kmで、打ち出された弾丸は
狙い通りベフィモスの持つ
『ハンディーレールガン』の
3本ある銃身の1つに命中………。
武器の破壊に成功する。
銃身を1つ失ったことにより、
今まで抑え込まれていた
プラズマを形成する程の
エネルギーが膨張していく………。
何が起こったのか、
理解できていない様子の
ベフィモスだったが、
武器が使い物にならないと判断して
直ぐに破棄しようとしていたが、
一歩遅かったようや………。
ベフィモスが破棄するよりも早く、
不安定になったプラズマが大爆発を起こした。
「初弾命中!!
続いて、武器の破壊を確認!!
ジャックさん!行ってください!!」
【こちらジャック!緊急発進を開始します!!】
その瞬間、格納庫で待機していた
ジャックさんが乗っている
『ライトニング・フェニックス』が急速発進。
カタパルトに繋がれた機体は
一気に加速すると、瞬く間に大空に飛翔。
アキトの居る地点に向かって飛んで行った。
「アキトを頼みます………」
そう呟いたウチは、
ベフィモスへと向き直ると
右腕が消失していたことに気が付いた。
思っていた以上に爆発が凄かったのか
今まで大したダメージを与えれんかった
ベフィモスに初めてダメージらしい
ダメージを入れることが出来たな。
第一目標である
ジャックさんの援護は完了した………。
そして………。
ここからがウチの正念場や………。
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
まだまだ、朱音√が続いて行きます。
出来る限り、違和感がないように
していきたいと思っているのですが、
思うように書けるか………。
これからも、
ご覧頂いております皆様に
楽しんで頂けますよう
精一杯頑張りますので
変わらずのご贔屓を
宜しくお願い致しますm( _ _ )m




