EPISODE 3 - 36 √朱音
ジャックさんの協力の元、
対ベフィモス最終決戦と
同時にアキトの救援作戦が始まった………。
「まず、ベフィモスなんですが
今まで施設を攻撃する際に、
必ず決まった行動をしていました」
【決まった行動ですか?】
「はい。具体的に言いますと、
施設の手前で制止すると
必ず『ハンディーレールガン』を
『フル・チャージ』させて、最大威力で攻撃。
圧倒的な火力で、施設全体を殲滅していました」
【今回も、そのパターンで来ると、
朱音さんは考えてるのですか?】
「はっきりとは言えませんが、
その可能性は高いと思っています」
これはウチの感やけど、
今回も同じパターンで来ると踏んでいる。
今から話すのは、
それを踏まえた作戦や。
「ここからは作戦プランの説明に入ります。
まず、施設手前までベフィモスが侵入すると
AI制御の自動迎撃システムを起動させて、
ベフィモスに総攻撃を開始します」
【攻撃ですか?でも、それでは………】
そう、言い淀むジャックさん………。
まぁ、その気持ちも分かるので、
ジャックさんの疑問を解消為にも
今は説明を続けて行くことにする。
「今までの戦闘データから
分かる通り、生半可な攻撃では、
ベフィモスの装甲を突破するのは
ほぼ不可能に近いです」
【それでは質問なのですが、
『何の為』の攻撃でしょうか?】
予想通り、悪戯に攻撃を仕掛けて
戦力が消耗するのを、
懸念してるみたいやな。
でもここは敢えて、
『コラテラル・ダメージ』の精神で行くで!!
「はい。
施設の迎撃システムは
『メイン』の攻撃を行う為の
『目くらまし』になって貰います」
【ん?
『メインの目くらまし』………。
ですか………?
それは、一体………。
っ!!】
そこまで言って、
ジャックさんの中でも
何か思い当たる節があったみたいやな。
ここで焦らしてもしょうがないので
とっとと、ネタばらしをする。
「お察しだと思いますが、
『コイルガン試作1号機』を
撃つまでの目くらましにしようと思います」
【なるほど………。
確かに、朱音さんがコイルガンで
狙撃するまでの間にベフィモスに
朱音さんの位置がばれて、
反撃される可能性が、ありますからね………】
やっぱり、ジャックさんは
頭の回転が速いな………。
『1を聞いて、10を知る』とは、
まさにこう言う事なんやろうな………。
やったら後は、
ジャックさんに『出撃』の
タイミングを説明するだけや。
「その通りです。
そして肝心のジャックさんの
出撃タイミングですが
ベフィモスが『ハンディーレールガン』を
『発射するタイミング』で、
出撃して貰おうと思っています」
【『発射するタイミング』ですか?】
ここだけ聞くと、
『死にに逝け』と、
言ってるように聞こえるので
更に説明を続ける。
「正確には、エネルギーのチャージが
終了したタイミングを見計らって、
ウチが『ハンディーレールガン』に向けて
『コイルガン試作一号機』を発射。
武器を破壊しますので、
その爆発に紛れて出撃して貰います」
【なるほど………。
多少の『不安材料』はありますが、
『最短距離』でアキトさんの救援に向かうと
考えた場合、この作戦は最良ですね………】
ジャックさんの言う通り、
この作戦には、幾つかの懸念事項がある………。
それでもウチは、
これが現時点で、1番の最善策やと思ってる。
後はジャックさんが
どう判断するかやけど………。
「どうでしょうか?」
思い切ってジャックさんに
確認して見ると………。
【了解しました!
私もその作戦に賛成します】
「!?ありがとうございます!!」
ジャックさんの了承を受け
ほっと胸をなでおろす。
【それでは、朱音さん。
援護の程、宜しくお願いします】
「任せてください!」
こうしてジャックさんとの
打ち合わせが終了すると同時に
運命の瞬間がやって来た。
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
まだまだ、朱音√が続いて行きます。
出来る限り、違和感がないように
していきたいと思っているのですが、
思うように書けるか………。
これからも、
ご覧頂いております皆様に
楽しんで頂けますよう
精一杯頑張りますので
変わらずのご贔屓を
宜しくお願い致しますm( _ _ )m




