EPISODE 3 - 19 √アキト
「やっぱりか………。だったらあの反応は??」」
装甲を剥いで、中を確認してみると
予想通り中は、無人だった。
正確に言うなら、大量のコードに接続された
『成人男性の上半身位の高さ』の
『金属製の筒』が、コクピット部分に収納されていた。
「何だこれ??」
その『金属製の筒』は、俺の撃った弾丸が
貫通して中から『緑色の液体』が漏れている。
取り敢えず今は、『謎の金属製の筒』の事は、
一旦置いといて、謎の多いこの外骨格について考察する。
納得した理由としては、
時速3000km相当の勢いで、
地面を引きづり回されて、
生身の人間が無事な訳が無い………。
だが、AI制御なら話は別だ。
最後に俺に向けて攻撃を仕掛けようと
したこと自体も、別に不思議ではない。
ただ、分からない点としては、
普通のAIなら友軍機が攻撃されていても
我関せずで、目標に向けて攻撃を続ける物なんだが………。
こいつは、『A・O・B』の直撃を受けた、
友軍機を振り返って、俺への攻撃を中断していた。
あの反応の仕方は、
とても『人間臭い』感じがした。
「取り敢えず、中央の施設に向かってみるか………」
疑問は尽きないが、
現状では確認のしようが無いので
先の『スキャン』で得た情報で、
どうしても看過出来ない建物があった。
普通廃墟になってる施設には、
あらゆるライフラインが、
断たれている筈なんだが、
何故か中央の施設だけには、
大量の電気が流れていた。
他に敵影が無いのは確認済みだが、
慎重に中央施設に向かう………。
「どうなってるんだ………??」
中央施設に到着したものの、
本来閉じられているはずの
正面ゲートが解放されていた。
「罠か?それとも、一足遅かったか………」
罠なら蹴散らせば良いだけなのだが、
もし一足遅く、逃げられた跡だと
少々面倒なことになったな………。
「しょうがない………。
何か見つからないか、探索してみるか」
八汰烏のシステムを
『スキャンモード』に切り替え、
怪しい部屋を軒並み探してみたが
有力な手掛かりは今の所まだ見つからない………。
「ここで最後か………」
何も見つからないまま、最後の部屋………。
中央制御室に到着した。
「ここも、もぬけ殻か………」
落胆しつつも部屋に入った俺は、
コンピューターを操作して
何か情報が残っていないか検索を開始する。
「ん?何だこれは??」
コンピューターを操作して
暫くすると、この施設を使っていた
何者かの調査報告書のような物を発見した。
そこに書かれていた物を読み進めるにつれ
次第に俺の中で、怒りが湧き起こってくる。
「ここに居た連中は、
何て物を作りやがったんだ!!」
ここから暫くですが
アキト視点と朱音視点に分けて話を
進めていきたいと考えています。
本当は交互に書きたいのですが、
如何せん不器用なもので、
それをやると恐らく意味が
分からなくなりそうなので
いっその事、一気に進めては
また別視点で~みたいな感じで
やらせていただこうと思います。
読んで頂いてる方には、
ご不備をお掛けしますが
ご了承いただけましたら幸いでございます。




