EPISODE 3 - 11
予想外の出来事が
待ち受けているとは
思いもせずに………。
例の如く、ダアトから『ポイント:D-30』に向かう為
輸送列車に乗った俺達だったが、
先程のブリーフィングの内容を思い出しては
この日、何度目かの溜息が出る………。
はぁ………。
朱音の様子が気になっていたからと言って
まさか、『作戦概要』は聞いたが
肝心の『作戦プラン』を聞くのを忘れるとは………。
今までも、こんなミスをしたことは無かった………。
何故なら『作戦プラン』を聞いていないと言う事は、
作戦の成功率もそうだが、
自身の『生死』にも直結するからだ。
『聞いていませんでした』
『知りませんでした』では、通用しない………。
慌てて無線を使って、
エミリーに確認した所………。
『お前達の自主性に任せる!
良い報告を待ってるぞ!!』と、
言って無線を切りやがった。
学校かよ!こっちは『命』が
掛ってるんだぞ!!
それを『自主性』に任せるとはどういう事だ!!
「はぁ………」
思い出しては、また溜息が出る………。
「ごめんなアキト。ウチのせいで………」
「あ………。すまない、
別に朱音のせいじゃないんだ。
さっきのエミリーとの
やり取りを思い出して、
頭痛が痛くなったんだ」
「ふふ。何やねん『頭痛が痛いって』」
良かった………。
何度も溜息をついていたせいで、
朱音に勘違いをさせてしまったみたいだが
何とか朱音の注意をそらせたかな?
いかん、いかん。
タダでさえ、めんどくさいのが相手なんだ。
今は目の前の事に集中しなければ。
「もう直ぐ、目的地に到着やな」
「朱音………。無理だけはするなよ?
最悪、駄目だと判断したら
直ぐに施設は放棄して撤退しろよ??」
「それはお互い様やろ?
ウチに比べたらアキトの方が
負担が大きいんやからな」
呆れた感じで、朱音が注意してくれたが
正直な所、脅威度は朱音の方が上だと思っている。
あの時は、エミリーを納得させる為に
色々それらしいことを言ったが、
俺はミスをしても最悪『即死』は無いと考えている。
対応さえ間違わなければ、生還も可能だろう。
ただ、朱音に関しては
ミス=『即死』を通り越して
『消滅』の危険がある。
その事は、エミリーも承知だったんだろ。
通信の最後に
『出来るだけ早く朱音に『合流』。
『援護』をしてくれ』と、言ってきた位だからな。
「ウチは、大丈夫や………。
だから、アキトも自分の事に集中しいや」
なお、不安な表情を浮かべていると
俺を安心させる為か、落ち着いた表情で
朱音が繰り返し『大丈夫』と言ってくれる。
それに、既に賽は投げられた………。
朱音の任務の方が『脅威度』が高いなら、
速攻で自分の任務を片づけて
朱音の『援護』に向かえば良いだけだ。
そう結論付けた俺は、
深呼吸をして気持ちを落ち着けて行く。
「俺が『援護』に行くまでに、
死んだりするなよ??」
「それは、ウチの台詞やで?
『ベフィモス』倒したら、
直ぐに助けに行ったるから
『あの時』みたいに、泣いたりするなよ?」
そう切り替えされて、
何のことか一瞬分からなかったが、
少し考えてみると、朱音の言う『あの時』と言うのは、
俺がまだ生きていた時の事だろう………。
「はは!確かに『生前』の俺を
助けてくれたのは朱音だったな。
だったら、今回も頼らせて貰うかな?」
「ばぁか。冗談にきまっとるやろ?
自分の身位、自分で守りや」
そう言って、笑い会う俺と朱音。
良い感じで、緊張がほぐれた所で丁度、
目的地である『ポイント:D-30』に到着したと、
車内にアナウンスが流れた………。
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。




