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最果ての世界で見る景色  作者: ルカリナ
EPISODE 2
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EPISODE 2 - 22

状況を整理しようと試みるものの

次々に起こる事態の連続に頭がついていかない。


「大丈夫か!ルリ!!」


「えぇ。ありがとう、ヒー君」


そんな中、聞こえて来た2人の会話に

今度こそ俺の頭は真っ白になった。


「ヒ…スイ?何…で……??」


会話からすると『エメラルドの機体』には、

俺のもう一人の家族である『ヒスイ』が搭乗している。


『ヒスイ』もそうだが、何故『ルリ』も

外骨格に乗って、こんな所に居るんだ?

何で俺は、『ヒスイ』と『ルリ』と戦っているんだ??


疑問は尽きない………。

ただ、これだけは分かる………。

かつての家族達が今、

俺の手の届く所に居る………。


「ルリ!まだ、動けるか?」


「大丈夫。胸部を少しやられただけだから」


「だったら、撤退するぞ!急げ!!」


「まってヒー君!目の前に『奴』が!

お兄ちゃんの『仇』が居るんだよ!!」


「タイムアップだ!それに今の装備じゃどうしようもない!!」


「ッ!!」


2人とも………。何を言ってるんだ?

俺なら………。ここに居るぞ??


「全員撤退開始!目の前の奴に残りの鉛玉をくれてやれ!!」


2人に改めて話しかけようとした瞬間、

ヒスイが撤退の指示を開始。

扉付近に待機していた連中が

一斉にアサルトライフルの撃ってきた。


「ック!!」


パイルバンカーのダメージが思いのほか

大きかったようで、機体が思うように制御できない。

リフレクターも完全に剥がされている為、

アサルトライフルの弾丸がダイレクトに八汰烏に突き刺さる。


咄嗟に頭部と胸部をガードしたものの

このままでは、一歩も動くことが出来ない。


そうこうしていると、アサルトライフルの掃射を

続けている連中の元に『ヒスイ』と『ルリ』が合流。

ダメ出しとばかりにスモーク・グレネードを投げ込んでいった。


一瞬で視界が悪くなっていく中

最後に聞いた二人のセリフは………。


「今は大人しく撤退するが、

次に会った時は、必ずお前を破壊する!!」


「私達は『キーパーズ』を………。

絶対に許さない!!」


俺を殺そうとしている位『憎んでいる』事だ。


暫くすると、ライフルの掃射が完全に止まった。

どうやら、ルリ達は全員撤退したみたいだ。


あれだけ、ライフルの弾を撃ち込まれても

機体には、ダメージらしい物は無かった。


強いて上げるなら、至近距離で

食らったパイルバンカーだろうか?

軽微とは言え、八汰烏にダメージを残したのは流石だ。


動こうと思えば、動けるのだが

それでも、俺はここを動くことが出来なかった。


何度かヤヨイさんやエミリーから通信が入ったが

どれも頭に入ってこない。


2人にまた会えた嬉しさよりも

その2人と敵対している事の方が

俺にとっては、何よりも心を重くする要因だ。


「おぅ~。アキト?生きとるか??」


そうこうしていると、朱音が迎えに来てくれた。


「随分派手にやられたな~。しかも新型の機体に

傷が付いてるやんけ?後でエミリーが怒るで??」


俺を気遣ってか、殊更明るく話をふってくれるが

今はそれに付き合える程の気力がない。


「………なぁ?」


「ん?」


「今は一体『何時』なんだ?

俺が眠っている間に『何』が起こってるんだ??

俺を………。『家族』の元へ返してくれ………」


「………」


「………ッ!」


2人を保護するまでの俺は、

正直生きることに疲れていた。


寝ても覚めても、殺し合いを強いられる

この残酷な世界で、何時死んでもおかしくないような生き方をしていた。


そんな俺に、何の因果か大切な家族が出来た。

家族のお蔭で俺は、この残酷な世界でも

生きる意味を見出すことが出来た。


正直家族が出来たことで、生活が苦しくなったこともある。


だけど………。それでも俺は、

1人で生きてた頃の味気ない生活を

送るよりは全然良かった。


その時俺は思った。


俺の大切な人達が、一緒にそばに居てくれて、

苦楽を共にしてくれる………。

それだけで、俺は幸せだった………。


その大切な人達と戦わなければいけない事に………。


とめどなく………。


涙が溢れてきた………。


初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。

色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので

至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。

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