EPISODE 2 - 21
その際、ライフルに命中した銃弾に引っ張られ
体勢を崩していたが、それをカバーするように
『紺色の機体』が、銃で俺を牽制してきた。
リーダー核のこの2機の内どちらかが、
戦闘不能になれば、撤退に持ち込めるかもしれない。
「だったら!」
瞬時に判断し、『紺色の機体』を狙うことにする。
銃弾をリフレクターで弾き返し、
『八汰烏』を『紺色の機体』に向けて前進さる。
ナイフの届く間合いまで機体を寄せると、
今度は上段からの切り下げる形でナイフを振るう。
牽制の銃弾を回避するのではなく、
まさか、突っ込んでくるとは、思っていなかったのか
『紺色』の動きが、数秒遅れる。
操縦者も流石の腕で、サブ・スラスターを駆使して、
瞬時に機体をその場で、駒の様にを回転させ直撃を回避するが、
それでも完全には、回避することが出来ず、
ナイフの切っ先が胸部装甲を少し掠める。
だけど、このままでは体制が不利なのは俺の方だ。
幾らリフレクターがあるとは言え、
流石にナイフでの攻撃を、完全に防ぐ事は出来ないだろ。
万が一、外骨格の隙間からナイフを刺しこまれたらタダでは済まない。
そう判断した俺は、ナイフを振り下ろした勢いを利用しつつ
クイックブースターを瞬時に点火して、相手とは逆方向に機体を回転させる。
お互いに、次に相手をその眼中に収める時が
この勝負の行先だと理解しているか、回転の速度は更に上がる。
270度までターンを終え、視界の端に相手をとらえると、
一気に急制動を掛け、回転の勢いを殺し即座に攻撃に移れるようにする。
360度ターンを終えると同時、お互い真正面から
相手を見据え、ナイフの切っ先を向ける形で停止する。
「………え?」
その時、偶然なのか………。
それとも必然なのか、切り裂かれた
胸部装甲の隙間から操縦者の顔が目についた。
『紺色の機体』に乗っていたのは………。
最後に見た時より、大分成長した『ルリ』だった………。
最初は他人のそら似かとも思ったが、
何年も一緒に過ごした『家族』の顔を間違えるはずがない。
何よりも愛しかった家族。
誰よりも幸せにしてやりたかった者達。
だけど………。
その願いは『あの時』・『あの瞬間』に潰えたと思った。
でも………。何の因果か、
俺は………。今一度、
新たに『生』を授かることが出来た。
だったら………。
今度こそ………。
俺は、『家族』を守る為に、この命を捧げる。
「ル………」
彼女の名前を、呼ぼをとした
その瞬間、リフレクターの防御膜を貫いて
凄まじい衝撃が襲ってきた。
「ッガ!!」
ルリに気を取られていて、
完全に無防備だった事もあってか、
横からの衝撃に機体の踏ん張りが利かずに
気が付けば、部屋の壁際に積んでいた
採掘資源の山に突っ込んでいた。
何を食らったのかと見て見れば、
わき腹に1本の鉄杭が、めり込んでいた。
形状からして、パイルバンカーだろうが
食らうまで、接近に気付かなかったのは不覚だ。
改めて、ルリの方を見ると
エメラルドの機体が寄り添うように立っていた。
その手に持っていた物は、
何処か見覚えのあるパイルバンカーだった。
「一体…何……が?」
状況を整理しようと試みるものの
次々に起こる事態の連続に頭がついていかない。
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。




