EPISODE 2 - 13
目の前の『ミッション』を完遂させるだけだ。
朱音の後に続き、エレベーターから出た俺が見た物は
壁一面にそって、配置された『強化外骨格』だった。
種類も色々で、一般的な『2脚タイプ』から
先程専攻して出撃した『4脚タイプ』もあった。
他にも、戦車に使われているような『キャタピラタイプ』や
水上戦を想定してるのか『フロートタイプ』と呼ばれる
一定の高さに浮いていられる仕様のものまであった。
「アキト!こっちやぞ!!」
どうやら物珍しさに、辺りを見渡していたみたいで、
気が付けば、朱音が先行していた。
「悪い。悪い」
謝りつつ、小走りで朱音の元に急ぐと
あの時は、おぼろげにしか見る事の出来なかった
『赤い機体』が鎮座していた。
「よく見たら、『赤は赤』でも『真紅』なんだな」
ある意味では、この機体も俺の命の恩人なんだよな。
機体に触れながら、あの時助けてくれた事を
気持ちの中だけで、感謝する。
「良い機体やろ?名前は『不知火』やで」
「『不知火』か。良い名前だな」
「せやろ?ウチ共々、よろしくな」
「あぁ。こちらこそよろしく。それで、肝心の俺の『相棒』は?」
辺りを見回しても、量産された物があるばかりで
それらしい物は見当たらない。
いや、正確には朱音の不知火の横にも
強化外骨格が入るスペースがあるのだが
今はゲートが閉じられていて中を確認できないのだ。
「そぅ、慌てんなって。こいつが、
アキトの新しい機体………。『八汰烏』や!」
「こいつは、凄いな………」
ゲート横にある開閉装置を押しながら、
朱音が披露してくれた機体を見て
思わずため息が出る。
屈んでるので、正確には分からないが
全長は約3m位で、従来型と同じ『2脚タイプ』と
面白みがないように思えるが
朱音の『不知火』と比べても引けをとらな位い
流麗なフォルムをした『漆黒』の機体がそこにあった。
「取り敢えず、『搭乗者登録』もしたいから
早速、乗ってみてくれ」
「あぁ。分かった」
朱音に言われて、胸部装甲を開閉して
早速中に乗り込んでみた瞬間
何とも言えない、違和感が俺を襲う。
「どうかしたんか?」
「いや………。始めて、見る機体のはずなんだけど。
何でか、漠然とだけど操縦方法が分かるんだよ」
朱音に違和感の内容を話した所
衝撃の事実を教えてくれた。
「あぁ………。多分やけど、アキトがまだ寝てる時に
エミリーが調整とか言って、睡眠学習という名の
強制インストールを色々やらかし取ったから
その時の名残やと思うで?」
「あの野郎………」
人の体に何をしてくれてんだよ!
まぁ、新型は嬉しいけど、裏を返すと『プロトタイプ』というか、
ある意味では、『実験機』みたいなものだからな。
機体性能が分からないまま、実践をやらないだけマシと思うか。
気分を切り替えて、
早速『搭乗者登録』を開始する。
『搭乗者を確認、照合を開始します』
システムを起動すると、早速網膜スキャンを開始。
『照合完了………。搭乗者『アキト・ハーヴェル』。
『ダアト専属ゲートキーパー』所属………。
機体名『八汰烏』に登録を開始しますか?』
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。




