『エピローグ』
「×××悪い。逃してもーたは」
例の機体が飛んでいった方角を見ながら
通信で現状報告をする。
「(了解。まぁ、調整中の機体だったから今は良しとするか)」
本来なら先の一撃で行動不能にするのが理想的やったけど
×××も言ってたように、調整中やったせいか
大口径対物ライフル、AMR-120-1の反動に機体が負けて
弾丸がそれてもーたからな………。
「さて、撤収するかな」
「な……い………」
とっとと戻って、ウチも機体調整の続きでもするかなと
踵を返した時に、微かに声が聞こえた。
「なんや?」
声?らしいものは聞こえるんやけど
小さすぎて、聞き取れんな。
「まさかな」
可能性があるとしたら
さっきまで、『あいつ』と戦闘をしていて
スクラップにされた『こいつ』やろうけど………。
近くまで寄って現状を確認してみたものの
「これは、酷い………」
無事な個所を探すのが逆に難しいくらい
足元に転がっている『強化外骨格』は酷いありさまやった。
足は曲がってるは、腕は千切れてるは
おまけに胸部にどデカい風穴を開けられてるは………。
良く見たら、胸部装甲の隙間から見える赤い液体は
操縦者の血液やないんか?
「こんな状態で、生きてるとも思えんけどな………」
無駄やと思うけど、念の為『強化外骨格』に
備えられてる緊急脱出装置を起動。
装置は生きとったけど、やっぱりフレームの歪みが酷すぎて
装甲の排出には至らんかったな………。
「しゃーないな」
ナイフを使って、胸部装甲を排除。
搭乗者を拝んだろうかなっと。
「お?」
生きてるっちゃあ、生きてるけどもはや虫の息やな。
腹には風穴があいてるは、
装甲に潰されたんやろうけど
下半身から下は、完全に潰れてるやろうな
それでも………。
「い………き……た……い」
こいつは生を望んでるんやな
「さて、どーしたもんかな」
そこで、×××が前に新型の搭乗者が居ないと言って
ぼやいてた事を思い出した。
「なぁ、×××」
「(どうした?×××)」
「前言とった、新型の適合者って見つかったんか?」
「(それが、難儀してるとこなんだよなぁ)」
新型は現行型に比べると出力が高いから
並みの奴やと耐えられへんって聞いとったから
もしやと思ったけど、こっちとしては都合が良い。
「良さげな奴が居るねんけど、どーや?」
「(本当か!こちらとしては、願ったり叶ったりだが、許可は取ってるのか?)」
「まぁ、その辺は大丈夫やろ」
「分かった!準備は進めとくから是非連れて来てくれ!」
「了解!直ぐ戻るは!!」
どちらにしても、時間が無いことには変わらんしな
「そーいう訳で………。これから宜しゅうな!!」
そういってウチは、操縦者の『首』を切断。
携帯型コールドケースに『首』をしまうと
基地に向けて、帰投する。
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。




