EPISODE 1 - 14
この二人が睨み合いを初めて、どれ位の時間がったたのか………。
数瞬か、それとも数分か分からないが
本格的にヤバくなってきた………。
さっきから、妙な倦怠感と眠気が襲ってくる。
刻一刻と近づく死の感覚に抗いながら
最後の時まで事の成り行きを見守る。
そう思っていたら
突如奴がブース・ターを点火して空高く飛翔………。
180度反転と同時に一瞬で彼方に飛んで行った。
奴にとっても、自身の装備を破壊しうる存在と
一線を交えるのは、マズイと思ったのか
撤退するまでに、躊躇がないように思えた。
最大の脅威と言っても過言ではない奴が去った今
残るのは目の前にいる謎の赤い機体のみ………。
敵なのか………。
それとも、味方なのかは分からないが
正直どちらでも、問題にはならない。
仮に俺が万全の状態だったとしても
奴と同等かそれ以上の能力があるかもしれない
こいつに勝てるとも思えない………。
それにしても、眠い………。
冷え行く体、遠のく意識の中
思い返すのは、最愛の家族………。
「(ルリ………。約束守れなくて、ゴメン……。
ヒスイ………。ルリの事を守ってくれな………)」
それでも………。
やっぱり、思わずにはいられない………。
これからも当たり前に、続くと信じていた日常を………。
「し……に…たく……な……い………」
誰よりも愛した俺の家族。
たとえ、血の繋がりは無くても
どんな奴よりも幸せにしてやりたいと思えた二人を想いながら
俺『アキト=ハーヴェル』の意識は闇へと落ちて行く………。
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。




