『プロローグ』
流れる血液………。
急速に低下する体温………。
俺の腹には、直径30cmもある一本の鉄杭………。
俗に言う、「パイルバンカー」と言われる兵器………。
目の前には、綺麗な漆黒のパワード・アーマー………。
今俺は、そいつに抱きかかえられるような形で止めを刺されている………。
「ガッフ……!はぁ…、はぁ………」
パイルバンカーの杭を強引に抜かれ、
背中から地面に投げ捨てられる………。
「(………クソ。俺もここまでか………。
ごめんな………。
ヒスイ、ルナ…………。兄ちゃん………。
もう………。帰れそうに………ないや………)」
混濁する意識の中、
思い出すのは二人の弟妹………。
いや……。
死ぬ間際だからこそかもしれないな………。
血の繋がりもなく、
けして裕福な暮らしをしていた訳でもない………。
それでも………。
俺には勿体ないほどの「家族」達………。
願うなら………。
「(あの子たちの進む道が、幸福でありますように………)」
今まさに、止めを刺そうと
手に持っている、ブレードを頭上高く掲げている
謎のパワード・アーマーを見上げながら
俺………。アキト=ハーヴェルは、
最後の時を待つ………。
初めて小説っぽい物を執筆させていただいております。
色々と手さぐりでやらせて頂いておりますので
至らぬ所も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。